カネカは、農業・食品産業技術総合研究機構 生物機能利用研究部門の今井亮三氏と共同で、小麦の品種改良を短期間で可能にする新技術「インプランタゲノム編集技術」を開発したことを発表した。

  • iPB法の原理:酵素や遺伝子を吸着させた金粒子を植物の発芽種子に打ち込む

    iPB法の原理:酵素や遺伝子を吸着させた金粒子を植物の発芽種子に打ち込む

今回開発されたインプランタゲノム編集技術は、植物の芽に遺伝子や酵素を直接導入する技術(iPB法)に、ゲノム編集技術を組み合わせた、汎用性の高い新規育種技術である。

同技術を用いることで、従来の遺伝子導入技術では必須で時間を要していた組織培養が不要となり、育種プロセスを大幅に簡略化できる。さらに、幅広い小麦品種に適用できることから、有用品種の開発を大幅に加速することができるとしている。

今後は、小麦だけでなく、大豆やトウモロコシ、ジャガイモなどの主要作物への応用が期待される。

なお、この研究成果は作物の品種改良を大きく前進させるものであり、3月15日より名古屋で開催された「日本農芸化学会 2018年度大会」にて、トピックス演題として発表された。