HAKUTOの袴田武史代表

会見を行ったHAKUTOの袴田武史代表

月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」(GLXP)に出場する日本のローバー「SORATO」の打ち上げを目指している民間月面探査チーム「HAKUTO」は1月24日、1月23日(米国時間)付けで同レースの主催者であるXPRISE財団が、2018年3月31日の期限をもってレースを終了することを発表したことを受けて、都内で会見を開催。今後もHAKUTOとして、民間での月面探査を目指して挑戦していくことを明らかにした。

既報の通り、現在のSORATOはすでに打ち上げ地であるインドへ輸送を終え、相乗り先であるTeamIndusと、期限内のミッション達成に向けたあらゆる可能性を検討してきたが、今回のXPRISE財団の発表を受け、改めて、ミッションの達成が困難との結論に至ったという。

会見を行ったHAKUTOの袴田武史代表は、「米国に赴き、XPRISE財団との交渉も行ったが、結果として財団として延期をしないという決断が下された」とする一方で、HAKUTOとしての挑戦が終わったわけではないことを強調。今後も引き続き、民間による月面探査の実現を目指して挑戦を続けていくとし、「TeamIndusと一緒に飛ぶという選択肢のほか、ispaceが進めているミッション1、ミッション2なども含めて、実現に向けたさまざまな選択肢を検討している」と、確実性の高い選択肢を選択して、引き続き実現を目指していくことを明らかにした。

なお、袴田氏は、「HAKUTOはGLXPの優勝をゴールとして活動をしてきたので、個人的にも今回の決定は残念に思っているし、支援してきてくれた人たちにも申し訳ないと思っている。サポーターズクラブ、クラウドファンディング、企業、投資家など多くの方々の支援をいただき、ここまで来れたことに感謝している。そうした多くの方々の思いを、確実に月面に届けていくことを目指し挑戦を続けていく」とコメントしたほか、少しでも早く月にたどり着くことを目指し、「我々は挑戦を辞めないので、引き続き、応援をしてもらいたい」と、今後も継続して、SORATOによる月面探査の実現を模索していくとしていた。