既報のように、ソニーは11月1日、新型の家庭向けロボット「aibo」(ERS-1000)を発表した。同日、ソニー本社で開催された新製品発表会には、同社の平井一夫・社長兼CEOが出席。新型aiboを報道陣に披露し、aiboへの期待について言及した。本レポートでは、発表会の模様についてお伝えしたい。
平井社長が「おいで、aibo」と声をかけると、3体のaiboが歩いて登場
旧AIBOは、1999年に初代の「ERS-110」が発表。日本では発売後20分で3,000台が完売するという人気商品となり、2000年には音声認識に対応した第2世代モデル「ERS-210」が登場した。その後、コミュニケーション能力が向上した「ERS-300」(2001年)、遊び方が増えた「ERS-7」(2003年)など、順調に進化を続けていた。
平井社長は当時について、「AIBOの誕生は、エンターテイメントを核にして、人間とともに暮らすという、新たなロボット文化が生まれた瞬間だった」と振り返る。現在はさまざまな家庭向けロボットがあるが、20世紀末の当時はそもそも家庭向けロボットの市場すら存在していなかった。それだけAIBOは斬新で時代を先取りした商品だった。
しかし、AIBOは2006年に販売が打ち切られ、ソニーはロボット事業から撤退。新型aiboは、それ以来、久しぶりの後継モデルとなる。
筆者注:従来は大文字表記だったが、新型はより親近感を持ってもらえるよう、小文字表記になったとのこと。以降、文中では意図的に使い分ける。
旧AIBOについては、以下のWEBページが詳しい
ソニー:Entertainment Robot AIBO Official website
「ユーザーに感動をもたらし、人々の好奇心を刺激する会社で有り続けることが、ソニーのミッションであり、ソニーの存在意義だ」と平井社長は訴える。「人との心の繋がりを持って、育てる喜びや愛情の対象となるロボットが、ソニーのミッションを体現する存在になる」と考え、AIBOの復活を決定。1年半前に開発を指示したそうだ。
ソニーは2016年6月、人工知能(AI)やロボティクスを積極的に活用していく方針を提示。AIスタートアップの米Cogitaiへの出資、ベンチャーキャピタルの設立、ディープラーニングソフトウェアのオープンソース化などに取り組んできた。すでに、同社のデジタルカメラやスマートフォンには、AI技術が多数導入されているという。