日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は10月19日、従来のディスクリート構成のソリューションと比較して、システムの消費電力を最大98%削減するMSDI(マルチ・スイッチ検出インタフェース)製品「TIC12400」ならびにAEC-Q100対応版「TIC12400-Q1」を発表した。

2製品ともに、複数のセンサ入力をモニタし、デバイス単独で最大54個のスイッチ抵抗パスをデコードできるという特徴を有している。そのため、プロセッサの信号デコード・タスクを不要にできるほか、ポーリング・シーケンス・アーキテクチャは、24チャネルの入力に対して、直接モニタ機能と組み込みの複数の診断機能を提供するため、システム制御用マイコンの動作時間を短縮し、自動車のボディ・エレクトロニクス、ファクトリ・オートメーションやビルディング・オートメーション向け機器などのシステム消費電力の削減を可能とするという。

そのため、 必要とするシステム消費電力は、高効率が必要なアプリケーションにおいてもmAレベルからμAレベルまで削減できるという。同社では、モニタ機能を内蔵したことで、マイコンを低消費電力のスリープ・モードにすることができるようになることから、アイドル状態での消費電力をさらに削減でき、自動車のスタート/ストップ時や、長時間に渡る駐車などへの対応が必要なアプリケーションにも適用できると説明している。

さらに、ISO 10605標準規格の±8-kV ESD保護要件に適合したESD(静電気放電)保護機能と自己診断機能を内蔵することで外付けの保護部品を削減。また、24本の入力の独立したモニタと保護が可能で、自己完結しているため、ホスト・マイコンが他の機能を実行する余裕を確保することにも貢献するという。

なお、2製品ともにすでに量産出荷を開始しており、1000個受注時の単価は「TIC12400」が1.10ドル、AEC-Q100対応版「TIC12400-Q1」が1.30ドルとなっている(いずれも参考価格)。

「TIC12400/12400-Q1」のパッケージイメージ。TIC12400-Q1は、1チップで最大120個のディスクリート部品の削減が可能だという