想像以上に利用が進んでいるセルフサービスBIとパブリッククラウド
続いて、ビッグデータ/アナリティクス市場の動向と技術トレンドに関する説明が行われた。
同日、2016年の国内ビッグデータ/アナリティクスのテクノロジー/サービス市場は、前年比8.0%増の高い成長率を記録し、市場規模は8860億6100万円となったことが発表された。
同市場規模は、2021年に1兆4818億8400万円となり、年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は10.8%で推移すると、同社では見ている。
草地氏は、ビッグデータ/アナリティクス市場の技術トレンドとして、「セルフサービスBIの普及」「クラウドデータサービスの急成長」「非構造データ活用への再注目」の3点を挙げた。
セルフサービスBIの活用状況を聞いたところ、全体の67.0%が「利用中」と回答したという。その活用状況は、企業規模に関わらず、進んでいる。この結果について、草地氏は「想定していた以上に、セルフサービスBIが成長している」と述べた。
また、データアナリティクスへのパブリッククラウドの活用も普及しており、「原則として利用しない」と回答した企業は2割以下にとどまった。「別な調査において、パブリッククラウドを選択する理由にセキュリティが挙がっていたが、思っていた以上に、企業がクラウドに対してポジティブであることがわかった」(草野氏)
3つ目のトレンドである「非構造化データ活用」においては、大規模データの分散処理を支えるオープンソースのミドルウェア「Hadoop」の利用が大きく拡大する兆しを見せているという。現状では、Hadoopを導入している企業は10%に達していないが、40%の企業が2017年から2018年に導入を進めると回答している。
草地氏は、「Hadoopは数年前に盛り上がって、最近は沈静化していたが、ここにきてまた注目を集めている。企業は2017年、2018年と具体的な時期を目指して導入を進めることを検討していることから、Hadoop導入について目的を持っていることがうかがえる」と説明した。
草地氏は、今後ビッグデータ/アナリティクス市場をドライブする要因として、「デジタルトランスフォーメーションの進展」「コグニティブ、AIシステムの台頭」「デジタル資本としてのデータ」を挙げた。また、同市場の成長を阻害する要因としては、「人材の不足」「開発の内製化」が挙げられた。