理化学研究所(理研)は6月19日、理研 革新知能統合研究センターが富士通と共同で設置し運用している人工知能(AI)研究用計算機システム「RAIDEN(Riken AIp Deep learning ENvironment)」が、2017年6月版のスーパーコンピュータ(スパコン)の消費電力当たりの性能ランキング「Green500」にて、1Wあたり10.602GFLOPS/Wを達成し、4位にランクインしたことを発表した。

RAIDENは深層学習(ディープラーニング)などのAI研究を目的として設計されたシステムで、研究の利便性・効率性を最重要視して開発されたシステム。Intelの「Xeon E5-2698v4(20コア、2.2GHz)」を搭載した「FUJITSU Server PRIMERGY RX2530 M2」32台と、NVIDIAのAIスパコン「DGX-1(Tesla P100を1台あたり8基搭載)」24台を組み合わせ、AI研究専用スパコンとしては、総理論演算性能(半精度浮動小数点演算時)では、国内最大規模となる4PFLOPSの演算性能を提供する。

なお、RAIDENは理研 革新知能統合研究センターの研究者および共同研究者であれば、自由に使えるよう開放されているほか、今後、GPUの性能向上などに併せてシステム全体のアップグレードも計画されているとのことで、国内のAI研究のさらなる加速が期待されると理研では説明している。

富士通の横浜データセンター内で稼働するディープラーニング解析システム「RAIDEN」 (出所:理研 Webサイト)