米ON Semiconductor(ON Semi)の日本法人であるオン・セミコンダクターは16日、LLC共振コンバータ・トポロジー向けに最適化された高度な同期式レクティファイヤ(synchronous rectifier、以下SR)コントローラ「FAN6248」を発表した。同デバイスはSOIC-8パッケージで提供され、単価は1万個単位の注文で0.487ドル。
このたび発表された「FAN6248」は、外付け部品を最小限に抑えて高い効率性を実現し、熱管理を容易にして全体的なシステムの信頼性を向上させ、さらにLLC電源の設計を簡素化させる、同期式レクティファイヤコントローラ。省スペースかつ高い信頼性と効率性が求められる、高性能な電源装置(PSU)に適したソリューションとなっている。
同デバイスには、ドレイン電圧の即時検知と以前のスイッチング周期情報を組み合わせたSR制御方法が組み込まれ、別の100V定格センス入力は2つのSR MOSFETをまたがるドレイン電圧とソース電圧を正確に検知、2次巻き線の非対称性や不十分なカップリングに対応できるという。これにより、電流反転の抑止や容量性電流スパイクによるSRのトリガーミスを回避し、信頼性の高いオペレーションを実現するということだ。
また、FAN6248に2個の外部抵抗とMOSFETを追加して、最大800Wをサポートする標準的なLLCコンバータを実現しており、特にノイズの多い環境では、2個のコンデンサを追加することでシステムの安定性がさらに向上するとのことだ。
さらに、FAN6248はさまざまな電力レベルでも高い信頼性と効率性で動作し、上共振動作は電圧スパイクなく達成され、無負荷時にグリーンモードに入り自動的に停止する。また、軽い負荷条件では、コントローラはグリーンモード内で振動し、効率性基準で求められている通りに非常に効率的な電源供給を実現するという。
内蔵された適応型の寄生インダクタンス補正は、パッケージの漂遊インダクタンスによるSR MOSFETにおけるボディ・ダイオード導通を最小限に抑え、PSUの効率性を向上させるとしている。
シリーズには4種類のデバイスがあり、電源設計者はスイッチング周波数(25 kHz~70 kHzまたは60 kHz~700 kHz)、およびMOSFETに関連する漂遊インダクタンスレベルに応じて、アプリケーションに最適なデバイスを選択可能となっている。
なお、同社は、完全なLLC設計を組み込んだ240Wの評価ボードを含めた設計サポートを提供し、FAN6248を既存の設計に組み込むためのドーターボードも用意されるということだ。