三菱化学と清水清三郎商店は3月14日、三菱化学のゼオライト膜「KonKer」を用いて旨味・香り・アルコール成分を濃縮して開発したアルコール度数30度の新しい酒「concentration 作 凝縮 H」の販売を2017年3月30日より開始すると発表した。
同製品は、清水清三郎商店の純米酒「作 穂乃智」を原料に、ゼオライト膜を活用して、水分子だけを取り除き、アルコール成分だけでなく、旨味や香り成分も2倍に濃縮したもの。一般的に醸造酒は発酵によりアルコールや旨味・香り成分を生み出すが、発酵のみで濃度を高めるには限界があったほか、蒸留などで濃度を高める方法では、加熱が伴うため、熱に弱い旨味・香り成分が変性してしまう恐れがあったという。
また、今回用いられたKonKerは、3.8Åの大きさの揃った細孔を持ち、日本酒やワインなど酸性の飲料にも適用可能な耐酸性を有する食品用ゼオライト膜であり、低温で脱水することができるため、食品や飲料の美味しさや香りを保ったまま濃縮できるといった特徴があるとのことで、蒸留などを行わずに、アルコールや甘味・香り成分の濃縮が可能になったとしている。
なお、同製品は、東京・丸の内のパレスホテルにある「はせがわ酒店パレスホテル東京店」にて販売される予定で、内容量375mlで価格は5000円(税別)としている。ちなみに飲み方としては、食後酒として楽しむことをお奨めするとしており、少し冷やした状態で、小ぶりのリキュールグラスに注いで、そのまま飲むことで、食後の満足感を高めることができるという。