日立製作所は3月3日、独自の静音化技術「Smart Comfort」を採用することで、撮像時間、コントラスト、画像SN比、空間分解能をほとんど変化させず、撮像音を最大で94%低減することを可能とした磁場強度1.5テスラの超電導MRIシステム「ECHELON Smart」の販売を開始した。

同製品は、静音化のほか、液体ヘリウムの蒸発を防ぎながら、効果的に電力消費を削減できる省エネ機能を搭載している。また、高速A/Dコンバータを搭載した受信システムの採用することで、MRIの高周波受信信号をダイレクトにデジタル化することで、ノイズの発生を抑え、画質の向上を実現したとするほか、高感度16チャンネル受信コイルシステムによる最適化画像合成技術を搭載。各チャンネルからの受信信号のSN比にしたがい画像を合成することで、鮮明な画質を得ることが可能となったとする。

さらに、 撮像断面の設定支援機能「AutoPose」や、検査時の体の動きによる画像劣化(モーションアーチファクト)を低減する撮像機能「RADAR(RADial Acquisition Regime)」を搭載。RADARは静音機能との併用も可能なのため、MRI検査が苦手な被検者の検査環境を改善することができるようになるという。

なお、同社では、今後もさらなる静音化技術や臨床に必要なアプリケーション開発を進めていくほか、経済性や設置性も追求したMRIシステムを提供していく計画であるとしている。

日立の1.5テスラ超電導MRIシステム「ECHELON Smart」の外観