KDDIは2月22日、次世代移動体通信システム「5G」の検証として、5Gの対応周波数帯域候補の1つである28GHz帯を用いた複数の基地局間をまたぐハンドオーバーの実験に成功したと発表した。
5Gに用いられる周波数帯は3GHz帯から数十GHz帯まで、多数の候補があり、28GHz帯もその1つ。高周波数帯では、低周波数帯と比較して電波が弱まりやすいため、対象を追随するビームフォーミング技術を活用する必要があるが、その場合、移動するデバイスを補足しつつ、基地局を順次切り替えるハンドオーバーを実現する必要があった。
今回の実証実験は、Samsung Electronicsの技術協力を得て、東京都内にて実施されたもの。市街地や高速道路での走行中において、複数の基地局間をハンドオーバーすることに成功したほか、スループット藻最大3.7Gbpsを達成したとする。
今回、28GHz帯が用いられたのは、高速通信を実現するための帯域幅800MHzを実現する必要があったためで、同社では、より高い周波数帯である30GHz帯を用いる衛星通信におけるノウハウなどを活用することで、安定した通信を実現したとしている。
なお、同社では2020年の5Gのサービススタートを目指すとしており、4月には新宿でデモ公開を予定するなど、技術検証を今後も進めていくとしている。