クルマの電子化・電動化、ADAS、自動運転、軽量化など、自動車業界における最重要テーマの最新技術を一堂に集めた展示会「第9回 オートモーティブワールド(オートモーティブワールド2017)」が2017年1月18日から20日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている。同展示会において、STMicroelectronicsの日本法人であるSTマイクロエレクトロニクスブースでは、ADASアプリに向けてHDR LEDフリッカー・フリーを実現するCMOSイメージセンサの参考出展を行っている。
同イメージセンサは、長露光用ダイオードと中時間/短時間露光用ダイオードを組み合わせ、短時間および中時間露光を多くの短いサンプルにカット(チョップ)してインテグレーション期間に展開することで、フリッカーノイズを完全除去することを可能としたもの。フレームレートは最大60フレームで、2.5Mピクセル(16:9)および2.2Mピクセル(4:3)の2製品の開発が進められているという。145dBのシーン内ダイナミックレンジ機能を備えており、さまざまなシーンでの利用が可能だという。ちなみに今回の参考出展は、テストチップによるものであるためとのことで、2017年内にはエンジニアサンプルの出荷が開始される予定だという(プロセッシング部についても、別途開発中で、こちらも年内にアナウンスできるようになる予定とのことであった)。
HDR LEDフリッカー・フリーCMOSイメージセンサのデモの様子。テストチップなので、モジュールなどの詳細は非公開。現状のモジュールは結構大きめとのことだが、製品では現行品レベルまで小型化されるとのことであった |
このほか、同社ブースでは次世代自動車で注目されるSiCデバイスとして200℃の温度保証をうたったSiC MOSFETやAEC-Q101車載対応SiCダイオードなども展示されている。
また、実際にどういった自動車に、同社のどのようなデバイスが搭載されているのか、といったことを見て取れる展示コーナーも用意。実際に市販されている自動車をベースとしたミニカーが多数並べられており、付属のタッチパネルで、その車種では、どういったデバイスが搭載されているかを知ることができるといったもので、中にはお遊びとも言える車種も混じっているので、実際にその目で確かめてみてもらいたい。