クルマの電子化・電動化、ADAS、自動運転、軽量化など、自動車業界における最重要テーマの最新技術を一堂に集めた展示会「第9回 オートモーティブワールド(オートモーティブワールド2017)」が2017年1月18日から20日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている。同展示会において、ロームブースでは、同社がヴェンチュリー・フォーミュラEチーム(Venturi Formula E Team)に提供しているSiCパワーデバイス採用のインバータの実モデルの展示などを行っている。

同インバータは、現在開催されているフォーミュラEのシーズン3にて活用されているもので、SiCショットキーバリアダイオードを採用することで、シーズン2のインバータ比でエネルギー効率を1.7%改善したほか、2kgの軽量化、体積の30%小型化を実現したもの。シーズン4にはSiC MOSFETもインバータに採用される予定で、さらなる改良が進む見込みだという。

フォーミュラEシーズン3よりヴェンチュリーに提供しているSiCデバイス採用インバータとシーズン2のインバータの比較(左)と、同社のSiCダイオード/MOSFETウェハ(右)

また、同社ブースでは、同社の自動車関連デバイスを搭載したオートモーティブソリューションデモなども見ることができる。同デモには、高精細LCDモニタのドライバIC、バックモニタやサイドミラーレスシステムのためのディスプレイコントローラ、モータドライバIC、静電タッチコントローラIC、Bluetoothモジュール、ヘッドライト向けLEDマトリクスドライバICなどが搭載されており、身近なクルマの進化を見ることができる。

ロームのさまざまなデバイスが搭載されたオートモーティブソリューションデモ

このほか、それぞれソリューションに分かれたデバイスのデモも見ることができる。例えば、新製品として紹介されている同社子会社のラピスセミコンダクタが開発した車載後方カメラ向けディスプレイコントローラ「ML86207/287」は、解像度をワイドXGA対応にしたほか、デジタル入出力(LVDS)にも対応したという。また、ML86287はフレームメモリを内蔵しており、外部にメモリを接続することなく、画面合成やアスペクト変換が可能となっている。

ラピスの車載後方カメラ向けディスプレイコントローラ「ML86287」を用いたデモの様子