日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は12月6日、車載アプリケーション向けにハイレゾ96kHzデジタル信号入力をサポートする2.1MHz動作の4ch Class-Dオーディオアンプ「TAS6424-Q1」を発表した。
同製品は、2.1MHzのPWMスイッチング周波数で動作するため、従来ソリューションに比べ、より小型の外付けフィルタを使用できるほか、最大18個の外付け部品の削減が可能なため、基板サイズを従来ソリューション比で約1/3となる7mm×22mm(5.9cm2)で実現できる。また、放送帯より高いスイッチング周波数を選択可能なため、複雑なAM放送へのビート妨害対策が不要、かつCISPR(国際無線障害特別委員会)25 Class 5のEMC要件に適合したシステムを設計することを可能とする。
さらに、2Ωのインピーダンスの負荷を駆動可能で、4chで45Wの出力を得ることが可能なほか、動作電圧が4.5V~26.4Vまで対応するので、アイドリングストップ時などで降圧しても、バッテリ直結でオーディオを維持することが可能となっている。
デジタルオーディオ入力に対応し、DSPに直結が可能なため、フルデジタルの伝送が可能。Class-ABオーディオアンプの置き換えを促進することで、一気に市場を獲得していきたいと同社では説明しており、ターゲットとしては、インフォテイメント、デジタルラジオ、車載ヘッドユニット、車載外付けアンプなどの従来ソリューションのほか、ADAS向けのシートバイブレーションアラームシステムといった近年、ニーズが高まってきている分野に向けて、ハイエンドのみならず、エントリクラスの自動車まで含める形で提案を行っていく計画とする。
なお、同製品はすでに、PowerPAD HSSOPパッケージにて量産出荷を開始しており、1000個受注時の単価は5.97ドル(参考価格)とする。また、評価キットも175ドルで提供するほか、同製品を2個利用した8ch対応リファレンスデザインなどを提供するとしており、2016年末にはガーバーデータなどの情報を公開する予定だという。