Texas Instruments(TI)は9月2日、緊急通報システムやインスツルメンツクラスタシステム向けに、ロードダンプ保護と診断機能を1チップに統合した車載用Class-Dオーディオアンプ「TAS5421-Q1」を発表した。

車載のeCall(緊急通報システム)は、事故発生時に自動的に通信を行い、車両の位置を最寄りの緊急センターに通報することで、救命までの応答時間を短縮することができる。同システムには、バックアップバッテリの電力のみで、長期間に渡る高い信頼性と同時に、自律的な動作が求められる。

同製品は、Class-Dアンプに損傷を与えるおそれのあるロードダンプをはじめとした、過酷な車載動作環境に対して、40Vのロードダンプ保護と過熱保護を提供する。また、90%の高い電力効率と低い無信号時電流により、追加のバッテリセルが不要で、ディスクリート構成のソリューションと比較して、システムの総合的なコストの削減、基板実装面積の縮小、製品重量の軽減などを実現する。さらに、I2C経由の診断機能を内蔵し、車載グレードの診断機能をフルに統合することで、ディスクリート構成のソリューションと比較して、コストの削減、開発期間の短縮、高い信頼性の確保、システムの複雑さの緩和を実現している。これらにより、eCallシステムの厳しい要件に適合する製品が実現できるという。

この他、AEC-Q100車載規格認証取得済のTIのアナログICで構成された、車載eCallリファレンスデザインを活用することで、eCallシステムの設計期間を短縮できる。このリファレンスデザインライブラリに収録された設計には、BOM(原材料費)、回路図、試験データやデザインファイルなどの豊富な資料が付属されている。

なお、パッケージは16ピンHTSSOP PowerPAD。価格は1000個受注時で1.74ドルから。

緊急通報システムやインスツルメンツクラスタシステム向けに、ロードダンプ保護と診断機能を1チップに統合した車載用Class-Dオーディオアンプ「TAS5421-Q1」