11月14日(米国時間)、スーパーコンピュータ(スパコン)の処理性能ランキングである「TOP500」の2016年11月版が発表された。
48回目となる今回のTOP500は、中国National Research Center of Parallel Computer Engineering & Technology(NRCPC)が開発し、National Supercomputing Center(Wuxi)に設置されているスパコン「Sunway TaihuLight(神威・太湖之光)」がLINPACKのベンチマーク93.014PFlops/s(消費電力15.3MW)が前回から引き続き1位を獲得した。
また、2位は中国National University of Defense Technologyの「Tianhe-2(Milky Way-2/天河2号)」(33.862PFlops、17.8MW)、3位も米オークリッジ国立研究所(ORNL)の「Titan」(17.590PFlops、8.2MW)、4位が米ローレンスリバモア国立研究所(LLNL)の「Sequoia」(17.173PFlops、7.9MW)と、前回と同じ順位となった。
変化があったのは5位以下で、5位には米国立エネルギー研究科学計算センター(NERSC)が2016年に稼動を開始した次世代スパコン「Cori」が、14.015PFlops(消費電力は3.94MW)でランクインしたほか、6位に日本の東京大学と筑波大学が協力して進めてきた最先端共同HPC基盤施設(JCAHPC)のスパコン「Oakforest-PACS」が13.554PFlops(消費電力2.72MW)でランクイン。理化学研究所の「京」は前回の5位から7位(10.510PFlops、12.66MW)へと後退した。
また、8位には前回と同じスイスSwiss National Supercomputing Centre(CSCS)の「Piz Daint」が前回の6.271PFlops、2.33MWから9.779PFlops、1.31MWへと性能を伸ばしランクインしたほか、9位には前回6位の米アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)の「Mira」(8.586PFlops、3.95MW)、10位には前回7位の米ロスアラモス国立研究所(LANL)とサンディア国立研究所(SNL)の「Trinity」(8.100PFlops、4.23MW)がそれぞれランクインした。
全500システムの合計演算性能は672PFlops(前回566.7PFlops)となったほか、1PFlopsを超えたのは117システム(前回95システム)となった。ただし、メニーコアアクセラレータを採用したのは96システムで、そのうち60システムがNVIDIAのGPU、21システムがIntel Xeon Phi、AMD GPUが1システム、PEZY technologyが1システムとなっているほか、NVIDIA GPUとXeon Phiを組み合わせたのが3システムとなっている。また、残りの10システムは最新世代のXeon Phi「Knights Landing」をメインのプロセッシングユニットとして採用したものとなっている。
11月21日追記
掲載当初、10システムがスタンドアロンプロセッサとしてメニーコアを採用したTOP500におけるはじめてのシステムになるとしておりましたが、2016年6月版のTOP500に、Knights Landingをスタンドアロンプロセッサとして用いたスパコンシステム「Stampede-KNL」が117位にランクインしていることが確認されましたので、当該箇所を修正しました。
こうした流れに伴い、プロセッサベンダ別の比率はIntelが462システム、IBM Powerが22システム、AMDが7システムと、大半をIntelが占める状態となっている。また、システムプロバイダとしては、Hewlett Packard Enterprise(HPE)が140システム(SGI分28システムを含む)で、次いでLenovoが92システム、Crayが56システムとなっているほか、IBMが33システムとなっている。