新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は10月17日、ウズベキスタン共和国政府と共同で、同国フェルガナ地区の熱電併給所と熱供給所に中・小型の高効率ガスタービンコージェネレーションシステムを導入する実証事業を実施することに合意し、14日に基本協定書(MOU)を締結したと発表した。
ウズベキスタン共和国の電力のほとんどは、全国10カ所の火力発電所によって賄われているが、その多くは旧ソ連時代に建設された老朽施設であるため、性能や運転信頼性が著しく低下しており、また、近年の経済成長などによる電力需要増に対応した供給量の確保が課題となっている。
今回の実証事業では、川崎重工業および丸紅ユティリティ・サービスを委託先として、ウズベキスタン共和国のフェルガナ地区にある、ウズベクエネルゴ社フェルガナ熱電併給所に、17MWの高効率ガスタービンコージェネレーションシステムを導入し、発電効率の向上とガスタービン排熱の有効利用を図るとともに、同地区のRK3熱供給所に7MWの同システムを導入し、熱供給所の熱電併給化も実証する。
これら中・小型のガスタービンにより電力供給の分散化を図ることにより、従来、遠方の大型発電所から電力を送電していた地域に対して、近傍からの電力供給が可能となり、施設のエネルギー効率の改善だけでなく、送電距離の短縮による送電ロスの改善が見込めるため、NEDOは従来システムに比べ38%の省エネ効果の達成および電力・熱の安定供給の実現を目指していくとしている。