図研エルミックは9月16日、生産現場で課題となっている「チョコ停」の要因解析のためのデータ収集を容易にするアプリケーションパッケージ「チョコ停Finder」の販売を開始した。
チョコ停とは生産ラインが自動運転中に突然停止する故障のうち、一時的なトラブルで停止し比較的容易に復旧することができるものを指す。チョコ停は復旧が容易な反面、原因の特定が難しく、必要な対策が取りにくいことから、工場の生産性の低下につながる大きな要因となる。
「チョコ停Finder」は、図研エルミックのIPカメラネットワークとFAネットワークを連携させるゲートウェイ技術を、チョコ停の課題に特化し、製品化したもの。光電センサー、IP監視カメラ、ゲートウェイユニット、PoEハブ、ビューアソフトなどで構成され、すべてキャリングケースに格納されているためスムーズに移動でき、任意の場所に設置可能だ。センサーが異常を検知すると、カメラが自動的に発生箇所にレンズを向け、撮影を行う。撮影された映像はインターネットを介しパソコンなどに蓄積され、付属のビューアで確認できるので、導入後すぐに要因特定の分析を始められる。
また、監視カメラで得た録画データは、センサーが検知した生産ラインの状態と予め関連づけられているので、ビューアの履歴をクリックすることで容易に探し出すことができる。さらに標準規格ONVIFを利用したシステムのため、市販のONVIFカメラへの置き換え、追加や、インターネットを介してウェブ上での確認も可能だ。
同社は「生産設備の問題発生のデータを蓄積・分析し、未然防止のための対策とることで、工場制御の自動化・自律化を目指すスマートファクトリーの実現が近づきます。また生産現場のIoT化促進に向け、取得したデータをビックデータとして活用することも可能となるため、画像解析やAI技術との連携も視野に入れ、防犯や工場の見える化に向けたシステム製品をシリーズ化していく予定です」としている。