VLSIシンポジウムでimecが7年続けて最多の発表
VLSIシンポジウム 2016では、世界中から応募された214件の中から選ばれた85件(採択率40%)の発表が行われた。国別では、EUが28件(うち、ベルギー13件)でトップ、米国が24件で2位、日本は12件で3位。かつて日本はトップを誇っていたが、半導体産業界の凋落とともに、応募件数・採択件数を減らし続けている。2013-14年19件、2015年14件、今年14件という具合で、今回、日本からの発表は全体の14%にすぎない。
主催者が集計した研究機関別の発表件数集計結果を表1に示す。筆頭発表者の所属機関名で集計している。今年のVLSIシンポジウムでimecからの発表件数は10件と全研究機関中で最多だった。2位は米国IBM(7件)、3位はフランス・CEA-LETI(5件)。IBMは半導体事業をGLOBALFOUNDRIESに譲渡したが、先端半導体研究開発には自ら巨額の投資をして、未来を切り開こうとしている。IBMは今回、高電子移動度のSiGeチャンネルを使った10nm Fin FET技術を発表し、imecと先端半導体開発で競い合っている。フランスの国立電子情報研究所CEA-LETIもimecに追いつこうと頑張っている。
日本では東芝の4件が最多という状況で、コンスタントに複数件の発表を続けられる日本の半導体企業はもはや東芝のみとなってしまった。
imecは2010~2016年の7年間に渡り、VLSIシンポジウム発表件数で首位を維持している。7年間の累積発表件数は61件と2位のIBM(39件)以下を大きく引き離してダントツである。
imecは、今春のISSCC(国際固体回路コンファレンス)でも、2015年暮れのIEDM(国際電子デバイスミーティング)でも、発表件数で首位を守っており、質量ともに世界トップに君臨するimecの次世代半導体研究動向を世界が注目している。