新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は12月8日、ソーラーフロンティアとの共同研究を通して、銅、インジウム、セレンなどによる化合物を光吸収層とした太陽電池である「CIS系薄膜太陽電池」のセルにおいて変換効率22.3%を達成したと発表した。

同機構は、2030年までに太陽光発電の発電コストを従来型火力発電並みの価格である7円/kWhにするという目標の達成を目指して、発電コスト低減技術の開発を進めている。

今回、ソーラーフロンティアが太陽光を吸収するCIS光吸収層の表面部分の品質向上や太陽電池内部の境界面の形成技術の改良に取り組み、CIS系薄膜太陽電池の世界最高変換効率22.3%を達成したことをドイツのフラウンホーファー研究機構で検証、確認した。この変換効率は、薄膜系太陽電池に比べて高性能と言われている多結晶シリコン系太陽電池においても未達成であり、これまでの薄膜系太陽電池の世界記録を大きく上回るものだという。

今回作製したCIS系薄膜太陽電池のセルに用いた製法は、ソーラーフロンティアの主力工場である国富工場で採用している技術と同じもので量産にも適しているため、市販製品への早期の応用が期待されるとしている。

NEDOプロジェクトにおいて開発したCIS系薄膜太陽電池のセルイメージ