米国の中堅半導体メーカーIntersilは10月13日(米国時間)、近接距離(2m以内)測距のための飛行時間(Time of Flight:ToF)型センサIC「ISL29501」を発表した(図1,2)。
同製品の開発を担当した同社Mobile Power Products担当シニア・バイス・プレジデントのAndrew Cowell氏(図3)によれば「(1)暗闇から2万ルックスまで使用可能で、事実上環境光の影響を受けず、(2)小型(4mm×5mm×1mm)で、(3)低消費電力(20mW)であることを3大特徴としており、今話題のドローンやロボット掃除機、コンシューマ・モバイルデバイス、小型低消費電力が必須のIoT端末向けとして最適である」とする。
「従来の競合製品は暗闇や2000lux以上の明るい環境では測定しにくかったり、対象物にたいして垂直に投光しないと測距できないなどの欠点があった」と同氏は語るが、同センサはTOF方式の中でも位相差法を用い、投光パルスを高速で点滅させ(変調周波数4.5MHz)、反射光の位相遅れの程度を計測し、オンチップDSPで距離に換算して距離測定を行うことで、そうした課題を解決した。また、エミッタDACの電流を255mAまでプログラム可能なため。顧客が自由にエミッタ(LEDやレーザー)およびフォトダイオードを自由に選ぶことも可能だとする。
主な用途としては、家庭用ロボット掃除機の障害物検出、スマートフォンの自動焦点、自動販売機のリアルタイム商品管理、白物家電の安全確保、ビデオゲーム機のプレ―ヤー確認、ドローンの衝突防止およびハ―ドランディング防止(着陸速度制御)などを想定しているという。またCowell氏は「このセンサICをドローンに採用すれば、低消費電力という特徴を生かして、飛行時間を延ばすことができる」と述べ、今後急速に普及することが見込まれるドローン向けの売り込みに意欲を見せている。
なお、同センサICの価格は、1000個単位の場合で4.87ドルで、リファレンス・デザイン・キット(図4)も用意されており、そちらは1台250ドルとなっている。