ルネサス エレクトロニクスは6月25日、工場の生産効率向上に向けたソリューションとして、ギガビットPHYを内蔵した産業用イーサネット通信LSI「R-IN32M4-CL2」を開発したと発表した。

Industrie4.0(第4次産業革命)では、産業機器に搭載されるセンサノードが増加することから、従来の標準である100Mbpsの通信帯域では不足する可能性があることから、1Gpbsへの移行が検討されている。すでに産業イーサネットのプロトコルの1つである「CC-Link IE Fieldプロトコル」はギガビット通信をサポートしており、同製品もそうしたプロトコルのサポートを目指して開発されたものとなる。

ギガビットイーサネットPHYを搭載しているため、通信のための周辺のアナログ回路設計を簡素化することができ、PHY周辺の高周波アナログ回路を気にしないハードウェア設計を可能とする。

また、大量の演算処理やアナログデータ処理などに対応するための浮動小数点演算ユニット(FPU)、8chの10ビット対応A/Dコンバータ、16chの16ビットタイマなども内蔵している。

なお、同製品は10月からのサンプル出荷開始を予定しているほか、2016年3月からの量産開始も予定。量産規模は2020年3月で月産2万個を計画しているとする。

ルネサスの産業用イーサネット通信LSI「R-IN32M4-CL2」