石川県金沢垂で毎幎開催される、メディアアヌトずクリ゚むタヌのための祭兞「eAT KANAZAWA」(以䞋、eAT)は、IT黎明期の1997幎から金沢垂が䞻催し、行政が䞻䜓ずなっおクリ゚むティブの情報発信を行うナニヌクな長寿むベントだ。本皿では、その暡様に密着したレポヌトをお届けする。

「3Dプリンタ」をめぐるものづくりの今

先日玹介したセッション「ゞェネレヌション  eATが発掘する新しい才胜」に続き行われたのは、「クラフトeATから生たれた工芞の可胜性」。モデレヌタヌにはクリ゚むタヌの宮田人叞氏、パネリストには金沢で起業した「雪花」の䞊町達也氏(3Dデザむナヌ・シェフ)ず柳井友䞀(3Dデザむナヌ・陶芞家)の若手2名、3Dプリンタヌ業界の第䞀人者である原雄叞氏(ケむズデザむンラボ)、DMM .make AKIBAの創立者のひずりであるベンチャヌキャピタリストの小笠原治氏(株匏䌚瀟nomad)を迎えた。

このセッションの共通キヌワヌドは「3Dプリンタ」だ。䞊町氏はもずもずニコンのミラヌレス䞀県レフシリヌズのデザむンを、柳井氏はJVCケンりッドでヘッドホンのデザむンを担圓しおきたキャリアを持぀、いわば「プロのむンダストリアルリアルデザむナヌ」たち。そんな圌らが、華々しいキャリアを離れおたで実珟したかったものは「食ず工芞」だず語る。

巊から、雪花の柳井友䞀(3Dデザむナヌ・陶芞家)ず䞊町達也氏(3Dデザむナヌ・シェフ)、3Dプリンタ業界の第䞀人者である原雄叞氏(ケむズデザむンラボ)、DMM .make AKIBAの創立者の1人であるベンチャヌキャピタリストの小笠原治氏。3Dプリンタに関する最新の話題ず雪花の䜜品が玹介された

「食噚はただただデザむンできる領域が倧きい」ず語る柳井氏の䜜品は、囜際陶磁噚コンペティションでここ数幎入賞を続けるなどすでに䞀定の評䟡を埗おいる。陶芞の意匠ずしおの玠晎らしさを持ちながら、工業的なアプロヌチも忘れない氏の䜜品は、その圢状からは想像しにくいがスタッカブル(積み重ねられる)であるこずを実珟しおいる。いわゆる手焌きの䞀点ものではなく、料亭などでも「したう」所䜜を考えお蚭蚈されおいる。これを実珟しおいるのが3Dプリンタの存圚だ。

CADで図面を起こし、圢状を䜜り䞊げおいきながら、3Dプリンタでサンプルを䜜っお実際にテストする。そうやっお䜕床も詊行錯誀を繰り返したうえで、サンプルから実際に陶噚にするための「型」を起こす。焌き物は火入れを行うず実際には1020%瞮んでしたうため、その収差を考えお蚭蚈するずいったノりハりも氏ならではだが、出来䞊がった䜜品はどれも緻密に蚈算されおいるものの、そのデザむンは手䜜りの枩かみのあるものだ。

圌のパヌトナヌである䞊町氏のアプロヌチも非垞にナニヌクだ。氏も3Dデザむナヌでありながら、食ぞのこだわりから金沢でハダシラむス専門店を営むシェフでもある。柳井氏の䜜品のひず぀である「スノヌヒル」もそんな䞭から生たれたアプロヌチ。皿に䞘状の傟斜を蚭けるこずで、皿に残りやすい汁や米ずいったものを「最埌の1粒たで」すくえるように工倫した。

プロトタむピングに3Dプリンタが頻繁に甚いられるだけでなく、時には最終的なプロダクションにもそのたた3Dプリンタを䜿い、コヌティングに挆や金箔などの金沢ならではの工芞を組み合わせるこずによっお、新しい䟡倀を暡玢しおいる。こういった倚角的な芖点を持぀氏のデザむン胜力は内倖の評䟡が高く、名叀屋のデザむナヌTOSHI氏の正48面䜓アヌト䜜品「protcol(プロトコル)」やJUDY AND MARYのギタリスト・TAKUYA氏のギタヌを3Dプリントでリモデルするなど数倚くのオファヌがあるずいう。たた最新のプロゞェクトでは、アマダナやJINS!のデザむンを手がけるこずで知られる鄭秀和氏のデザむン補䜐を行っおおり、東南アゞア向けのスマヌトフォンデザむンや、すみだ氎族通のペンギンプヌルのリニュヌアルを担圓するなど、たさに今が旬のデザむナヌだ。

雪花は3Dプリンタを甚いお「食ず工芞」に新しい息吹を吹き蟌む。圌らがデザむンした食噚は、囜際陶磁噚コンペティションでここ数幎入賞を続けるなどすでに䞀定の評䟡を埗おいる。たた、JUDY AND MARYのギタリストTAKUYA氏のギタヌを3Dプリントで䜜成するなど、掻動の幅は倚岐に枡る

そしお、この2人をバックで支えおいるのが小笠原氏ずDMM瀟。同瀟は石川県内に囜内最倧玚の3Dプリンタ工堎を持っおおり、雪花の䜜品もここを経由しお䜜られるものも倚い。「DMMの3Dプリント事業参入で盞堎も非垞に䞋がった」ず非垞に喜ぶ雪花のふたりだが、䞀方で小笠原氏も「実隓的なパヌツ発泚ではなく、食噚ずいう実甚的なプロダクトの発泚がこんな高いレベルで来おくれるのは非垞に嬉しい」ずのこず。圌らずのやりずりはお互いに良い方向に䜜甚しおいるようで、1カ月半足らずでプロトタむピングからプロダクトアりトたで仕䞊げおほしいずのクラむアントの芁望に応えられるのも、3Dプリントのおかげず話す。「単にうちのスタッフが培倜しお頑匵っただけ」ず小笠原氏は苊笑するが、小ロット生産を短期間で成し遂げられるのは3Dプリンタだからこそであり、雪花のふたりが氏の想定以䞊に速いペヌスで「3Dプリンタの実甚性を急速に高めおいる」ず評䟡しおいる。

3Dプリントの朮流の行く先は

さお、3Dプリントは、どこたで広がっおいくのだろうか。原雄叞氏はたず、玠材よる進化を指摘した。埓来はABSやPLAなどのいわゆるプラスチック系のフィラメント(材料)が䞻流だったが、カヌボンやりッドチップなど新しい玠材も急速に増え぀぀ある。「銃噚を䜜るこずもそろそろ珟実的になりたすね」ず原氏は冗談っぜく切り出すが、鉄や鋳物ずいった金属タむプのフィラメントも出おきおいる。次々に登堎する新玠材だが、これらの背景には「倱われた技術を補完する」偎面も匷いずいう。

具䜓的なゞャンルずしお、氏は叀矎術や建築物を挙げた。颚化によっお損傷が進み補修に手を぀けられない物から、そもそも長い歎史の䞭で技術的継承が倱われおいるものもあるずのこず。こういったものを3Dスキャナで䞁寧にデゞタルデヌタ化し、3Dプリンタで耇補可胜な環境を提䟛する。「文化遺産の耇補、ずいう点では呚りからの反察も倚いのですが」ず氏は前眮きしながらも、岡山県など積極的に耇補ぞず着手しおいる自治䜓もある。実は、近幎文化財は盗難や芳光客による砎損行為などが深刻な問題ずなっおおり、これを解決する手段ずしおの3Dプリンタが有力芖されおいるそうだ。オリゞナルは保管し、レプリカを展瀺するこずでリスクを回避できるほか、芖芚障害者などが文化財に「盎接觊っお」䜓隓するなどの新しいサヌビスを提䟛するこずも可胜になっおいる。

こういったアプロヌチは日本に限った話ではない。毎幎1月にラスベガスで行われるCES(コンシュヌマ・゚レクトロニック・ショり)でも数倚くのアプロヌチが芋られる。3Dプリンタによるプロトタむピングが安䟡に実珟できるようになった珟圚、倧䌁業よりも個人に近いベンチャヌ系のほうがフットワヌクも軜く、新しいむノベヌションを次々に生み出しおいる。そんな䞭で日本の䌁業も「元気なずころが倚い」ず小笠原氏は指摘する。

事実、氏の経営する䌁業のひず぀であるCerevoも「Top Tech of CES 2015 award」のSports & Fitness郚門を受賞したのを筆頭に、耇数の日本䌁業がCES関連のアワヌドを受賞するなど「モノづくり倧囜ニッポン」の存圚感は高たりを感じるものがあるずいう。原氏も「3Dプリンタのフィラメントにも砂糖を䜿った食品関連のプリントがでおきたしたが、造圢がドクロや昆虫などセンスのないものがほずんどです。こういった分野も日本の和菓子職人のセンスで十分に戊えるのではないかず思っおいたす」ず評するが、日本の「工芞」がモノづくりにかける圱響の倧きさは蚈り知れないこずをあらためお知る機䌚ずなった。

(氷川りそな)