ヴァイナスは3月4日、多様なHPC(High-Performance Computing)サーバを繋ぐCAE・HPCユーザー向けに付加価値専用回線網「V-HPC Network」の販売を2015年3月9日より開始すると発表した。

同サービスは利用者が内外問わずさまざまなHPCサーバを選んで科学技術計算を行うことができる高い利便性を提供するもので、自社の施設だけでなく、FOCUS(計算科学振興財団)スパコンや公共・研究機関のHPCサーバ(順次サポート予定)を選択することが可能なほか、IBM SoftLayerやAmazon AWSなどのクラウドサーバへもダイレクト接続することが可能だという。

通信速度については、最大10Gbpsのバックボーン回線を利用した閉域ネットワークとなっているため、同社開発のマルチHPCサーバゲートウェイ「CCNV(Cloud Computing NaVigation system)」と組み合わせることで、利用者はサーバ間のファイル転送をドラッグ&ドロップで簡単に行うことができる。また、ファイル圧縮や転送バッチ処理、ジョブ自動実行などの高度な処理機能を備えたオプションを別途選択することも可能だ。

さらに、ユーザー開発コードやオープンソースコードのアプリケーションを同社が預かって、ユーザーに代わってポーティングとコンパイルなど(オプションでは並列実行効率のチューニングなども提供)を含め、年間契約でメンテナンスを請け負い、外部のクラウドHPCサーバで利用可能するサービス「VECAMS(VINAS Entrusted Cloud Application Maintenance Service)」も提供するとのことであり、移植に関する専門知識の取得やメンテナンスなど、クラウドの利用促進を阻む一因である負担や煩わしさの軽減を図ることもできるようになっている。

なお、同社では自動車関連、重工業、情報通信産業を中心に販売していく計画で、初年度で20社の導入、2億円の販売を見込むとしている。また、V-HPC Networkの価格は参考価格ながら100Mbps帯域保証の回線(東京23区内から接続する一例)の場合で年間約840万円、初期導入設定費用60万円(いずれも税別)としている。

付加価値回線網の展開イメージ