シンガポヌルを拠点に䞖界䞭で照明デザむンを手がける、Lighting Planners Associates 服郚祐介氏。照明デザむンずいう仕事、そのデザむンプロセス、そしお囜による違いに぀いお、圌が手がけたプロゞェクトを巡りながら話を聞いた。

照明デザむナヌ 服郚祐介氏

光だけでなく陰もデザむンする

――"光をデザむンする"ずいうこずに぀いお教えお䞋さい。

光ずいう存圚自䜓は誰でも知っおいたすし、皆さんは日垞的に光を䜓隓しおいるこずだず思いたす。ただ、光が圱響をおよがす空間の印象や心地よさのようなものは、皆さんが無意識のうちに感じ取っおいるこずが倚いので、それをデザむンするずいう仕事は分かりにくいかもしれたせん。

䞀蚀でいいたすず、この仕事は照明に関する知識を利甚しお空間を光で挔出する職業です。照明デザむンず蚀うず舞台照明、映画照明など様々ですが、我々が専門ずしおいるのは建築照明、もしくはもう少し広矩に環境照明ずいう分野。照明噚具をプロダクトずしおデザむンしおいるず思われるこずも倚いのですが、そうではなく、自然光や人工光(いわゆる照明噚具)をツヌルずしお空間をどのような光の環境にするかを考える職業なのです。建築、造園、電気蚭備など倚岐にわたる知識を必芁ずするちょっず倉わった職胜かもしれたせん。

照明デザむンの歎史は5060幎ず浅く、それたでは職業ずしお確立するたでは建築家が照明、䞻に自然光をどのように空間に取り入れるかを考えおいたのですが、建築の甚途が倚様化し、照明のテクノロゞヌが耇雑化し、専門職ずしおの必芁性が高たり生たれたした。建築家だけでなく斜工䞻が照明の重芁性に気づき始めたこずや、省゚ネが取り沙汰されるようになっおからは、私たちの職胜がさらに重芁芖されるようになっおきたした。

建築ず私ずの出䌚いは、私がただ高校生の頃に建築家 ル・コルビュゞ゚の展芧䌚を蚪れたこずでした。倧孊で建築を孊ぶようになり、そこで人が空間で感じる「環境」を圢䜜るものには、音・光・空調の䞉぀の芁玠があるこずを孊びたす。このずき初めお環境心理孊ずいう分野に出䌚い、倧孊院に進孊以降、䞻に光環境に぀いお研究しお぀き詰めおいくこずになりたした。ですから、実はデザむンを孊んだこずはないんです。

照明デザむンを専門に孊べる倧孊は、アメリカ、スりェヌデン、ドむツなどにはありたすが数は少ないんです。ですから、私が勀めおいるLighting Planners Associatesずいう照明デザむンの䌚瀟には、さたざたなバックグラりンドを持ったひずたちが集たっおいたす。電気蚭備の蚭蚈をやっおいたひず、造園をやっおいたひず。それぞれいろんなきっかけで照明に出䌚ったひずたちが集たっおいたす。

――シンガポヌルではどのような仕事を?

2008幎に赎任したした。圓時はただマリヌナ・ベむ・サンズもありたせんでした。今もそうですが圓時のシンガポヌルは建蚭ラッシュ。東京勀務だった頃に海倖の案件を担圓しおいたこずなどがきっかけで、赎任するこずになりたした。こちらでは郜垂蚈画のようなものから、ホテル、商業斜蚭、オフィスビル、䜏宅コンドミニアムの照明デザむンたで、照明に関わる幅広い仕事に携わっおいたす。

郜垂蚈画の事䟋ずしお、シンガポヌル政府からの䟝頌を受けお、ベむ゚リアやショッピング゚リアなど䞭心街の景芳を圢づくる照明に関するマスタヌプラン策定を匊瀟で行いたした。たた、マリヌナ・ベむ・サンズホテルに隣接する怍物公園 ガヌデンズ・バむ・ザ・ベむの照明デザむンに私も参画したした。公園内には屋倖斜蚭もあるため、倜間の照明をデザむンする仕事でもありたした。どの゚リアが、どの皋床の明るさだったら、来蚪者に理想のストヌリヌを䜓隓しおもらえるか。照明デザむンは、「陰圱をデザむンする仕事でもある」ずいうこずを再認識したした。

来蚪者の無意識をあや぀るデザむンのプロセス

――デザむンを行う過皋に぀いお詳しく教えお䞋さい。

ビクトリア・シアタヌコンサヌト・ホヌルの事䟋でご玹介したす。玄100幎間の歎史がある叀い建物で、老朜化のためリノベヌションが行われたした。私も2009幎から今幎たで5幎間携わりたした。照明デザむンのコンセプトは、“Old meets New”を䌝えるこず。シンガポヌルでは貎重な歎史ある䜇たいず、リノベヌション埌の新しさをハむラむトするようデザむンしたした。

癜亜のコロニアル建築の倖芳は枩かみのある色の光で照らしおいる。柱を照らさず、シル゚ットで魅せる。時蚈台は呚蟺のランドマヌクずなるので明るめに照らされおいる。(Photo : Lighting Planners Associates / Yusuke Hattori)

゚ントランスの床に明るい光を配眮し来蚪者を出迎える。これを「りェルカムマット」ず呌ぶ。偎壁の明かりが建物の内郚ぞず誘導する。(Photo : Lighting Planners Associates / Yusuke Hattori)

䞻圹は建築、照明噚具は黒幕ず考える。照明噚具はできるだけ隠れるよう蚭蚈する。倩井に照明が぀いおいるこずが気にならなず、照らされる䞻䜓の邪魔をしない。(Photo : Lighting Planners Associates / Yusuke Hattori)

倩井から釣り䞋げたペンダント照明はこのプロゞェクトのために建築家ず共同で蚭蚈し、レバノンで補䜜したもの。叀い建物の内装にもずけ蟌みながらもモダンなデザむンを実珟。階段の螊り堎など䞊䞋からから芋䞋ろしたずきに芋えるリングの内偎のゎヌルドがアクセントに。(Photo : Lighting Planners Associates / Yusuke Hattori)

ホヌルに向かう階段の途䞭は䞀床暗めにするこずで、芳劇盎前の来蚪者の期埅感を高めるよう挔出。「党䜓的に明るく照らしおもドラマは生たれない。」陰圱をデザむンするこずで、明るい堎所ずのコントラストを䜜り出す。(Photo : Lighting Planners Associates / Yusuke Hattori)

リノベヌション前に䜿甚されおいた怅子の背もたれを再利甚しお䞊べ、その内偎に照明噚具を入れお空間を照らすアむデア。建物の倖偎から芋おも倧きな存圚感。(Photo : Lighting Planners Associates / Yusuke Hattori)

北欧は自然光をいかに取り入れるか、南囜は遮るか

――囜によっお違いを感じたすか

特に䞭囜のクラむアントは、自分の建築をたわりで䞀番に目立たせるこずを奜むこずが倚いですね。ずにかく、呚りより明るく奇抜に目立たせおくれず望む。銙枯や䞊海ならよいのかもしれたせんが、パチンコ屋のように䞋品に明るくするのが適切でない立地にある堎合は照明の数を枛らしたしょうず提案するこずも。こうした建築を取り巻く呚蟺環境を解釈しながらデザむンを考えるマむンドセットは建築を孊ぶ過皋で身に぀けたものです。

䞊海の倜景。個々の建物が思い思いに光を身にたずう。倜景はその土地特有の文化でもある(Photo : Lighting Planners Associates / Yusuke Hattori)

自然光に察する考え方も基本的には囜によっお異なりたす。たずえば、北欧では限られた自然光を建造物にどう入れられるかずいう芖点でデザむンしたす。䞀方、赀道盎䞋などの南囜では、暑さのしのぐために自然光をいかに遮るかずいう芖点で考えたす。その土地の立地、倩候、そしお経枈状況も含めお環境です。照明もそれに察応させたす。

生掻の䞭に取り入れる照明の明るさの奜みも異なりたす。ペヌロッパでは、レストランでもロり゜クの光でステヌキを食べたりしたす。肉がきちんず焌けおいるかどうかも分からないほど暗い堎合もありたす。スりェヌデンの䜏宅を蚪れたずきも、ロり゜クのような明かりで生掻しおいる家もありたした。倕日やいわゆる間接照明などもそうですが、暖かみのある、いわゆる「色枩床の䜎い」光が奜たれたす。癜人は目の色玠が薄いので光に敏感だずも蚀われおいたす。

䞀方、東南アゞアなど日照時間が長い地域では、冷たい癜色の「色枩床の高い」蛍光灯むき出しのずころで食事をしおお酒を飲んだりしたす。日本では、障子や行灯など面で光る照明が日本らしいずされたすよね。日本の倚くの珟代䜏宅は、倩井にひず぀明るい蛍光灯が぀いおいお、リビングをくたなく照らすような環境です。これは、私は知らない時代ですが、芪やその前の䞖代の方々が戊埌貧しい時代を裞電球で生掻しおきたので、明るいこずが豊かだずいうマむンドセットがあるこずに䞀因があるように思いたす。

――海倖での仕事ずいう面で苊劎する郚分もあるず思うのですが。

たずえばむンドで高局ビルの案件にたずさわっおいたずきに、予算を䜿い切っおしたいビル自䜓の建蚭が途䞭で止たったなんおこずがありたした。たた、これはどの囜でもあるこずですが、斜工䌚瀟ずのコミュニケヌションに苊劎したす。日本では考えられないこずが起こる。噚具の蚭眮䜜業を指瀺通りにやっおくれなかったりするんですよね。慣れるたではいらいらしおいたしたが、むしろそれを楜しむ䜙裕がないずストレスを感じるのではないでしょうか。デザむンに察する劥協は奜きではありたせんが、できるずころはしないず䜜業が進んでいかないこずもありたす。海倖ではそのバランス感芚が必芁です。

――照明デザむンのトレンドを教えお䞋さい。

発光ダむオヌド、いわゆるLEDがこれたでの照明をすべお眮き換えようずしおいるこずでしょうか。省゚ネにもなりたすので、ランニングコストを削枛したいクラむアントにずっおは魅力的です。䌁業むメヌゞを良くするために照明はすべおLEDを、なんおいうこずを求められるこずがありたす。しかし、われわれは埓来の癜熱灯、蛍光灯ほか様々な光を䜿い分けお提案するようにしおいたす。癜熱灯の光ず比べおLEDの光は、食べ物のおいしさや女性の肌の矎しさを衚珟するこずには向いおいない。光源それぞれに特性がありたすから。その環境に適した光をデザむンするこずがわれわれの任務です。

――デザむナヌずしお今埌の展望は

3.11の東北での震灜埌、色々な方が色々なこずを考えたように、私も照明デザむナヌずしお䜕ができるかを考えたした。被灜地の方々が、電気の無い寒い䞭、暗く䞍安な倜を過ごしおいるのだろう。そこが明るいだけでも少しは安心できるのではないかず、倪陜パネル内蔵のLEDが発光するキャンプ甚のランタンを被灜地に送ったこずもありたす。この震灜がきっかけで、自分の照明デザむナヌの瀟䌚的圹割を考えるようになったず思いたす。

光ずいうのぱネルギヌが倉換されお埗られたす。照明にぱネルギヌが必芁、぀たりお金のかかるこずです。フィリピンのマニラを蚪れたずき、倜間に空枯からシティヌ゚リアに向かっおいたのですが、その道のりにスラム街があり、ものすごく暗くお、いかにも治安が悪そうでした。街が暗いず、犯眪などが起こりやすく治安が悪くなり、たすたす貧しくなっおしたいたす。そういう堎所には必芁なだけの光があればなず思いたす。党おの堎所を明るくすればよいずいうこずではありたせんが、こういった負の悪埪環は光でも打開できるのではず考えおいたす。

いた照明デザむナヌを起甚するクラむアントは、䞻に経枈的に豊かな人や䌚瀟です。しかしそうでないひずたちにも自分の力を還元しおいきたいず思っおいたす。そういった考えの䞭で将来やらなければず考えおいるのが、灜害が起こった地域や暗く治安の悪い地域などに光を届けるボランティア。昌は倪陜が分け隔おなく光を届けおくれたす。倜もそうなれば玠敵だず思うのです。

照明デザむナヌ 服郚祐介
1980幎、東京郜生たれ。東京工業倧孊工孊郚建築孊科卒。同倧孊院総合理工孊研究科人間環境システム専攻にお環境心理孊を研究。工孊修士。2006幎Lighting Planners Associates に入瀟し2008幎からシンガポヌル事務所にお照明デザむンに埓事。䞻な担圓プロゞェクトに、衚参道アカリりム、ヒルトン東京、Gardens By the Bay、ION Orchard、Tang Plaza ファサヌド改修、Peranakan Museum, Victoria Theatre and Concert Hall、CapitaGreen、Aman Shanghaiなど。その他、䜏宅プロゞェクトも担圓する。囜際照明デザむナヌ協䌚(IALD)䌚員