Freescale Semiconductorの日本法人であるフリースケール・セミコンダクタ・ジャパン、Semtech、日新システムズ、丸文は10月6日、IoT向け国際通信規格である「Wi-SUN Profile for ECHONET Lite」に対応したソリューションを共同開発したと発表した。
同ソリューションは、Freescaleのマイコン「Kinetis」、および「Kinetis」を使用した丸文のセンサフュージョンボード、Semtechの無線トランシーバ、および日新システムズのEW-WSNソフトウェアスタックで構成されており、「Wi-SUN Profile for ECHONET Lite」に対応している。このうち、Freescaleの「Kinetis」は、ハード/ソフトウェア互換性をもつARM Cortex-M0+、およびCortex-M4コアをベースとしたポートフォリオを有し、900品種を超える汎用組み込みおよびアプリケーション特化型の製品群によって構成されている。同ソリューションにおいても、消費電力、多彩な機能、メモリサイズ、そしてパッケージオプションのさまざまなラインナップからアプリケーションに最適な製品を選択できる。
Semtechは、数kHzから2.4GHzまでのISM(Industrial, Scientific and Medical)バンドを利用した長距離、短距離の無線ソリューションを、スマートメータ、遠隔監視、セキュリティ、ホーム、ビル管理のシステムに提供している。今回の無線トランシーバIC「SX1272」は、Wi-SUN認証を取得している他、LoRa長距離伝送技術も内蔵しており、より広いエリアをカバーする無線ネットワークを構築することができる。
日新システムズは、「Wi-SUN Profile for ECHONET Lite」に対応したPHY層、MAC層、ネットワーク層(6LoWPAN、IPv6)、セキュリティ認証(PANA)をサポートしたソフトウェアスタックEW-WSNを、Semtechの無線トランシーバICとFreescaleの「Kinetis」上で動作するようにソフトウェア実装を行った。EW-WSNは、組み込み機器への実装を想定した小フットプリント(ROM 90KB、RAM 30KB標準実装時)が特徴で、スマートメータ、HEMSゲートウェイの双方に対応できるため、さまざまな場面での活用が可能となっている。
丸文は、センサフュージョン開発環境であるCemPla Triボードに「Kinetis」を搭載しており、簡単に「Wi-SUN Profile for ECHONET Lite」を実現できる他、さまざまなセンシングデータを送信できる環境を提供する。さらに、ユーザーの要望に合わせてハードウェアの受託設計の提案、対応も可能という。
同ソリューションにより、標準規格に準拠しつつ、アプリケーションごとに異なる性能、機能、およびコスト要求に、ハード/ソフトウェア互換かつ豊富な製品群から最適な部品構成を選択できるとしている。なお、各社の製品はすでに供給が開始されている。同ソリューションの評価キットは2015年3月の出荷を予定している。