Broadcomは9月26日、GNSS(全地球衛星測位システム)とセンサハブの低消費電力コンボチップ「Broadcom BCM4773」を発表した。

同製品は、GNSSチップとセンサハブを単一のコンボチップに統合することで、バッテリの消耗を最小限に抑え、モバイルデバイスの位置情報技術に新たなインテリジェンスを追加する。また、同アーキテクチャにより、Wi-Fi、Bluetooth Smart、GPS、MEMSからの情報をAP(アプリケーションプロセッサ)ではなく、単一のSoCで処理できるようになる。さらに、独自の設計によってAPの負荷を軽減することにより、消費電力を80%以上削減するとともに、基板面積を34%縮小しながら、コストの削減を実現する。

そして、GNSSをWi-Fiコンボチップに直接接続することにより、モバイルデバイスでは、ユーザーの場所や行動を把握して、ユーザーエクスペリエンスをさらにパーソナライズできるようになる。例えば、「BCM4773」ベースのスマートフォンでは、メインのAPを関与させることなく、Wi-Fi、Bluetooth Smart、GPS、MEMSからの情報を使用し、ランナーが屋外で走っているのか、屋内のランニングマシーンで運動しているのかを認識できる。こうした技術を動的に管理することで、バッテリを節約し、ユーザーエクスペリエンスを最適化することが可能になるとしている。

具体的には、GPS、GLONASS、SBAS、QZSS、BeiDouなど5種類の衛星システムを同時にサポートしている。さらに、GNSSを用いてバックグラウンド/フォアグラウンドで位置情報機能を提供する、超低消費電力のオンチップポジショニングの他、Wi-Fi SoCへの直接接続の通信プロトコルを用いたオンチップでのWi-Fiポジショニング、およびWi-Fi、MEMS、GNSSなど、ロケーションハブに接続されたすべてのデバイスに関してバッチングをサポートしている。

なお、すでに生産を開始している。