ARMは、従来のARMベースMCUに比べ、DSP性能を2倍に高めた32ビットCortex-M7プロセッサを発表した。

ARM Cortex-M7は、次世代の自動車、コネクテッドデバイス、スマートホーム/ファクトリなどで利用されるハイエンドの組み込みアプリケーションをターゲットとしている。すでに、AtmelとFreescale Semiconductor、STMicroelectronicsが、同プロセッサのライセンスを取得しているという。

具体的には、5CoreMark/MHzの性能を有し、デジタル信号制御機能と組み合わせることで、開発コストを抑えつつ、要件の厳しい組み込みアプリケーションをターゲットにすることができる。また、同コアは、既存のCortex-Mプロセッサと同様のC言語にフレンドリーなプログラマモデルとバイナリ互換性を備えている。エコシステムとソフトウェア互換性により、既存のCortex-Mコアから容易に移行可能なため、多くのコードを再利用し、開発/メンテナンスコストを低減できる。さらに、40LPプロセス、400MHzで2000CoreMarksに達する6段スーパースカラパイプラインを有する他、AXIインターコネクト(64ビット転送をサポート)、および命令とデータに対応する完全統合型のキャッシュが、大容量外部メモリや高性能ペリフェラルへの効率的なアクセスを実現している。また、密結合メモリ(TCM)インタフェースによる高速のリアルタイム応答が可能。そして、エンベデッドトレースマクロセル(ETM)による命令とデータのフルトレース機能がシステムの可視性を向上させている。加えて、ASIL DおよびSIL 3適合に貢献するオプションのセーフティパッケージとビルトイン型障害検出機能は、車載、産業、輸送、医療用アプリケーションをターゲットとする場合、最適となっている。この他、相補的なパートナー企業で構成されているARM Connected Communityで、豊富なサードパーティツール、RTOS、各アーキテクチャのミドルウェアサポートが提供されている。