CRUNCHERSは9月9日、映画のヒット要因分析と収益予測を可能にする「興行収入シミュレーター」を開発したと発表した。

同シュミレーターは、メディアによる広告・広報などの事前プロモーション効果や消費者間の口コミ、休祝日による需要押し上げ効果といった要因をパラメーターに持つ「同社独自の計算モデル」に基づくもの。判明している興行収入データから「作品のヒット要因」を定量的に把握することができるほか、これから公開する映画についても、口コミやプロモーション効果、映画公開日等のパラメーターを投入することで、「興行収入を週ごとの収益の推移として予測」することが可能となる。

映画興行収入シュミレーターの概念図

なお、同社は発表に合わせて、「アナと雪の女王」や「思い出のマーニー」「ゼロ・グラビティ」「永遠の0」「崖の上のポニョ」「告白」の6作品について、同シュミレーターを使用した分析結果やシミュレーションイメージを公開した。

「アナと雪の女王」をもちいた「ヒット要因分析」

「ゼロ・グラビティ」と「永遠の0」の分析結果

同社は、映画のヒット要因分析を行う際のヒット要因パラメーターとして、公開前のプロモーション・認知の効力を示す「公開時潜在顧客数」と、口コミ力を示す「作品固有バイラル効果」が重要だとする。

公開時潜在顧客数(Portential Consumers at the Opening : PCO)とは、映画が公開された時点で「その映画を観たい」と思っている潜在的な消費者数のことで、事前プロモーション効果やシリーズ作品のブランド力を示す指標となる。同人数が多いほど興行収入が伸びやすくなると考えられるという。

作品固有バイラル効果(Work-Specidic Viral Effect : VE)とは、その映画が消費者の好意的な口コミを引き起こす度合いのこと。同値が大きいと、公開後により多くの消費者が口コミ効果によって映画を鑑賞し、最終興行収入益が増大する可能性が高い。

「崖の上のポニョ」と「思い出のマーニー」の分析結果

「告白」をもちいたシュミレーションイメージ

なお、同社は今後、同シミュレーターやその他の分析技術を駆使し、映画市場をターゲットとした新たなビジネスインテリジェンスサービスの提供を予定しているという。