CSRと香港を拠点とするロケーションレシーバメーカーのMaestro Wireless Solutionsは、GPSおよびGLONASSレシーバを10mm×15mmサイズの小型パッケージに収め、SiRFstarVをベースとした次世代全地球航法衛星システム(GNSS)ポジショニングモジュール「A5100-A」を発表した。
同製品は、MaestroのGNSSレシーバの新ラインアップからの最初の製品であり、クワッドコンステレーションをサポートすることで高い精度を提供するとともに、初期位置算出時間(TTFF)を最大30%高速化しているの加え、CSRのTricklePowerおよびPush-to-Fix(PtF)モードを採用したことで、消費電力を最大20%削減している。さらに、TCXOやSAWフィルタ、RTC、アンテナ制御メカニズム、将来のアップグレードに備えたフラッシュメモリなどの豊富な機能の他、SiRFstar4を搭載した従来世代のMaestroモジュールとドロップインで交換できる機能を採用することで、市場投入時間の短縮と開発リスクの削減にも大きく貢献する。この他、製造の簡略化、および組立コストの削減に寄与するキャステレーテッドエッジ構造を採用している。
また、現在運用されているすべてのGNSSに対応する他、認識可能なすべてのGPS、GLONASS、QZSS、SBAS衛星からデータを収集、追跡する。加えて、コンカレント(並列処理)GNSS機能により異なる測位システムから最適な衛星を選択することで、より高精度なロケーション情報を提供できる。これにより、同モジュールを実装するだけで、都市部のビルの谷間などの厳しい環境下でも優れたカバレッジ、安定性、精度を得られ、マルチパスや電波妨害に対する強い耐性も獲得でき、エンドユーザーは都市の中心部にいても、人里離れた郊外にいても、安定した測位情報を得ることができる。
なお、同モジュールは、1.8V~3.6Vの充電式リチウムバッテリーとの直接接続により、システムコストを削減し、電力消費の効率化を図ることができる。また、CSRのPtFテクノロジーの搭載により、電力消費を最適化している。PtFは、正確な測位を迅速に完了するためデバイスをより長期間待機状態に置くことができる他、動作環境や運動状態に応じて瞬時に消費電力を適応させる。さらに、先進のアルゴリズムと強力なオンチップDSPプロセッサにより、任意の環境および運動状態での電力消費レベルを最小化すると同時に高い精度(QoS)を維持する。そして、カメラやウェアラブルデバイスのようにインターネット接続をもたないデバイスでは3日分、SiRFInstantFixサーバ生成拡張エフェメリス(SGEE)データに対応したネットワークに接続している場合は最長31日分のInstantFix拡張エフェメリス(EE)を自動的に予測することで、TTFFを短縮する。現在、同モジュールはサンプルと評価キットを発売中。