ルネサス エレクトロニクスは8月6日、2015年3月期第1四半期の決算概要を発表した。売上高は前年同期比5.1%増となる2092億5900万円、営業損益は同175.9%増の269億8400万円、経常損益は同196.8%増の253億4300万円、純損益は前年同期39億9000万円の損失から、211億9900万円の黒字へと転換を果たした。

ルネサスの2015年3月期第1四半期の決算概要

また、本業の半導体売上高は、同6.1%増となる2012億円となったが、Synapticsに事業譲渡を決定したルネサスエスピードライバ(RSP)の相当分を除くと、同4.7%増になるという。営業損益については、6四半期連続で黒字を確保することに成功したが、同四半期の約270億円の営業利益のうちRSP分は39億円と1割以上を占めており、第3四半期の譲渡完了以降は、この分の利益が減少することが見込まれる。

アプリケーション別に見た半導体売り上げの内訳は、「自動車」が前年同期10.0%増となる798億円、産業機器やOA・ICT、家電向けが含まれる「汎用」は同4.0%増の1198億円、「その他の半導体」が同12.0%減の16億円となっている。自動車事業について同社は、堅調な個人消費を背景に世界的に自動車販売が好調であったことから安定成長を果たしたとしており、自動車全体で2%の増収を果たしたとする。一方の汎用事業についても、回復基調が続く世界経済の下、設備投資や半導体ユーザーの部品調達が活発化し、個人消費も堅調であったことから、汎用品需要が拡大し、その結果、前四半期比で5%強の増収を達成したとする。特に中小型ドライバICの伸びが前四半期比で約30%増となったという。

半導体のアプリケーション別に見た業績の概要

営業利益については、価格改善や収益志向の徹底による費用発生抑制などにより、想定比で70億円の改善を実現したとするほか、大きな特別損失が発生しなかったことから、純損益も黒字化を果たしたとする。

なお、同社では2015年3月期第2四半期の業績については、売上高が前年同期比6.5%減の2037億円、うち半導体売上高は同5.3%減の1968億円と減益を見込むも、営業損益は同74.3%増の190億円、経常損益も同191.5%増の157億円の増収見通しで、純損益も88億円の損失から、早期退職優遇制度の実施にともなう特別損失の計上などが見込まれるものの、68億円の黒字へと転換が図れる見通しを示している。

ルネサスの2015年3月期第2四半期の業績見通し