アットマークテクノは7月29日、ARM Cortex-A15デュアルコア(1.5GHz×2)の高性能アプリケーションプロセッサを搭載した評価ボード「Armadillo-EVA 1500」を発表した。
同製品は、ルネサス エレクトロニクス製のプロセッサ「R8A77430HA01BG(Engineering Sample)」を採用。同プロセッサは、車載情報端末向けSoC「R-Car」シリーズの技術を生かし、次世代のヒューマンマシンインタフェースを実現する機器への利用を想定して開発されたものである。CPUパワーの高さに加え、3Dグラフィックス機能の「PowerVR SGX544MP2」を搭載し、H.264/AVCなどのビデオコーデックにも対応しており、高度なマルチメディア処理が可能となっている。
また、「Armadillo-EVA 1500」は、USB 3.0、PCI Express Mini Card、シリアルATAなど高速なインタフェースに対応している他、従来機器でよく使われるLAN、シリアル、SDなどの各種インタフェースも網羅しており、さまざまな分野の産業用組み込み機器を想定した評価開発に対応できる。さらに、OSとしてLinuxを採用している。カーネルやデバイスドライバなどのソースコードがオープンソースとしてWebサイトで公開されているので、ソフトウェア開発の効率化にも役立つとしている。
なお、価格は、ACアダプタや開発用DVD-ROMなど、開発に必要なもの一式が同梱された「Armadillo-EVA 1500 評価セット(AE1500-D00Z)」が9万8000円(税抜き)。すでに出荷を開始している。また、「Armadillo-EVA 1500」本体に接続して評価できる無線LANモジュール(IEEE 802.11b/g/n対応)、タッチパネル液晶などのオプション製品も販売されている。さらに、量産向け開発時の回路設計の参考となるよう、「Armadillo-EVA 1500評価セット」購入者向けに本体の回路図を同社のユーザーズサイトで無償提供している。
この他、キョウデンが「Armadillo-EVA 1500」のプリント基板データをもとにした量産向け設計・製造サービスを提供している。キョウデンは、高密度で繊細なビルドアップ工法のプリント基板の設計から製造まで一貫した工程を担うことができる。この強みを生かし、SI解析・PI解析の信号解析を含めた基板の設計製造を短納期かつ高品質で実現する。これにより、「R8A77430HA01BG」の性能を最大限に活用したいという要望にも、いち早く応えることができるとしている。