2014年7月8日、東京ドームシティに「宇宙をテーマにしたミュージアム『TeNQ(テンキュー)』」がオープンする。この施設は、9つのエリアをツアー形式で見て体験することで、「感動を通じて宇宙を知る」ことができるというもの。今回は、みなさんより一足早く体験した模様をお届けする。
「TeNQ」が設置されたのは、東京ドームシティ内の黄色いビル6階。玄関口となるエントランスホールには、ナチュラルテイストなインテリアの中に、宇宙関連の書籍や地球儀、模型などさまざまなアイテムが展示されている。
「TeNQ」で異空間体験・映像体験をする
ツアー開始とともに案内されるのは、「トンネル0(ゼロ)」である。このトンネルは、来場者が心のリセットを行い、これから先で受けることができる体験に期待を高めることができるよう、真っ暗な空間を約30m歩く作りだ。
トンネルの先は、古代から現代に至るまでの人類の「宇宙」への想いを見て感じることのできる「はじまりの部屋」となっている。そこでの映像演出には、幅約20m、高さ4.5mのプロジェクション・マッピングを使用。加えて同部屋は、来場者を白いキューブの設置された壁で囲むような設計となっており、その凹凸が映像の臨場感を高める仕様だ。
約5分間の映像の後、再びトンネルを20mほど進むと、宇宙や星空の映像を「見下ろす」ことのできる「シアター宙(ソラ)」が見えてくる。足元に広がるスクリーンは、直径11mの大きな穴が開いたような形状をしているほか、プロジェクター12台を活用することで4K解像度(4K×4K・3mmドットレベル)を実現している。
この迫力ある4K映像として映し出されるコンテンツとしては、「ハワイ島のマウナロア山で撮影された星空」や、「国際宇宙ステーション(ISS)から見下ろした地球の実写映像」など。ハワイの星空は、連続撮影した静止画をタイムラプス手法によって動画表現を実現したものだ。約10分間のプログラムは、人類が「地上から見上げていた星空から銀河へ飛び出し、そして宇宙から地球を眺める」という視点の変遷を表現している。
「TeNQ」で宇宙を学び・体験する
その後の展示には、東京大学総合研究博物館と産学の連携で実現した展示スペース「サイエンス」がある。宇宙に関するさまざまなデータや知識が掲載されたパネルが展示されているほか、実際に火星探査機が観測している映像をリアルタイムで映し出すモニターなども設置されている。
研究の最新情報が展示物に反映できるのは、同展示スペースの一角に太陽系博物学寄附研究部門の研究室分室である「リサーチセンター」が設置されているためだ。これは、東京大学総合研究博物館で准教授を務める宮本英昭氏の協力のもと実現したもので、研究者は実際にこのリサーチセンターで研究にあたるという。
「TeNQ」を運営する東京ドームは、「来場者が『研究の第一線に触れられること』や『研修者の顔を見ることができること』『研究者が制作する展示物に触れられること』は、他の施設にはないメリットだ」と説明している。
「サイエンス」の次は、宇宙を遊びながら想像し楽しむエリア「イマジネーション」が設けられている。こちらでは、球体ロボットをラジコンカーのように操作してロケット発射台へのコースを競う「アストロボール」をはじめ、参加型で操作性のある遊びコンテンツや、アートの展示、ゆったりと映像を眺めながら休めるレストスペースなどが提供されている。
イマジネーションの一角には、3~4カ月の頻度で内容が変わる「企画展示室」があり、第一弾となる今回は「宇宙旅行でジャンプ!!~TeNQ式宇宙旅行展~」をテーマした企画展が実施されている。(同企画展の開催期間は2014年9月30日まで)
「TeNQ」の終盤は、「つながる場所」と命名されたエリア。ガガーリンやアインシュタインなどの発した宇宙に関連する言葉が、流星のように次々と映し出される「コトバリウム」や、月面の映像に自分の足跡を記録できる「私の足跡」、月に座っている様子で写真が撮れるフォトスポットなどで構成されている。
そして最後には、「TeNQ」オリジナルグッズや宇宙関連の文献・グッズの販売を行う「TeNQ宇宙ストア」となり、一連の異空間ツアーは終了となる。