日立製作所は5月20日、質問に含まれる対象と属性から最適な回答を選んで説明し、うなずいたり、首をかしげる動作から相手の理解度を推定して、より自然な回答を可能とする人間共生ロボット「EMIEW2」向け対話技術を開発したと発表した。
同技術は、「質問に含まれる複数の単語から最適な回答を選別する技術」と「うなずいたり、首をかしげる動作から相手の理解度を推定する技術」の2つを組み合わせることで実現したもの。1つ目の技術は、事前に用意した質問文から、対象とその属性を認識するのに必要な単語の並びをDeep Learning法を用いて学習し、データベースに記録・蓄積させることで、実際に質問の単語列とデータベースを比較して、対象と属性を認識するという技術。2つ目の技術は、「EMIEW2」と人の対話映像を分析して反応に伴った動きを事前に学習させ、実際の対話の際に、相手を内蔵カメラで撮影し、相手がうなずいたり、首をかしげたりする動作を識別することで、回答に対して推測される相手の反応と比較して、質問者の理解度合いを推定するというもの。この2つを組み合わせることで、会話口調での質問から、対象とその属性を認識し最適な回答を行い、さらに相手の反応を見て適切に対応することが可能となり、ロボットと人の対話が円滑なものにすることができるようになるという。
なお1つ目の技術については、5月22日より東京工業大学にて開催される「情報処理学会 第216回自然言語処理研究会 第101回音声言語情報処理研究会 合同研究発表会」で詳細を発表する予定だという。