Q:「インテリアデザインが好きな場所」はどこですか?

インテリアデザインには、空間の役割や業種に沿った工夫やこだわりが施されています。いろいろな場所がありますが、自宅でも特にホッとできる空間や、ふと気づくと選んでいるお店って、誰しもひとつはありますよね。海外からやってきたみなさんは、どんな空間がお好きなのでしょうか。

日本在住の外国人20名に「インテリアデザインが好きな場所」について聞いてみました。

■水戸芸術館の面白い形が好きです。(フランス/30代後半/男性)
■旧首相官邸(スリランカ/50代後半/男性)

いわゆる公的施設のデザインです。ブランクーシの無限柱にヒントを得たというオブジェと寝殿造風の建物からなる「水戸芸術館」は、磯崎新氏の作品。現代芸術を扱う美術館らしい前衛性と伝統が融合したデザインです。現在は首相公邸である旧首相官邸は、大正末期~昭和初期に流行したアールデコなどの様式を取り入れた建築デザイン。フランク・ロイド・ライトのデザインに似ていたため、ライト風とも呼ばれています。

■伊勢丹デパートです。(トルコ/20代後半/女性)
■Nicolai Bergmann Flowers & Designという店(イタリア/30代後半/女性)
■六本木ヒルズ(韓国/40代後半/男性)

商業施設あれこれ。アールデコ調の外観で東京都の歴史的建造物に指定されている伊勢丹(設計は現・清水建設だそう)、鎧兜などをモチーフにしたKPFによるデザインが印象的な六本木ヒルズ、デンマークブランドのアイテムでそろえたスタイリッシュでモダンなニコライ・バーグマンのショップなど、デザインされた時代や内容はいろいろですが、とにかくみな個性的。こうした印象の違う店舗がモザイクのように集まり、それぞれ楽しむことができるのが東京の良さでもあります。

■寺社仏閣。(シリア/30代前半/男性)
■お寺や神社。(イギリス/40代後半/男性)

寺社仏閣は日本ならではの空間です。お寺も宗派ごとでたたずまいはかなり違いますが、美しく掃き清められた空間が醸し出すあらたかな雰囲気や、厳かな静寂はどこも同じ。不思議と心も落ち着きます。

■居間です。(インドネシア/30代後半/男性)
■ミニマルなリビングルーム。(スペイン/30代後半/男性)
■キッチン(インドネシア/30代前半/女性)
■縁側。(中国/30代前半/女性)
■和室。(アメリカ/30代後半/男性)
■和室です。(ドイツ/30代後半/男性)
■洋式のインテリアデザインがよい(ベッド、フローリング、大きなキッチン、ガーデン付き、大きな食卓)。(ベトナム/30代前半/女性)
■SF風の部屋。(ブラジル/50代前半/女性)

自宅での落ち着きスペースあれこれ。縁側や和室など、日本家屋ならではの空間を好むという回答も多いようです。国内の単身向け賃貸マンションなどでは和室よりも洋室が好まれることを思うと、こうした逆転現象が起こっている状況は興味深いですね。また、ガスコンロ付きなどキッチンにこだわる女性は国内にも多いですが、国を問わず気になる空間なのかもしれません。

■木製家具のある空間。(オーストラリア/40代前半/男性)
■イギリススタイルの木製家具、広いスペースが好きです。(ロシア/20代後半/女性)
■アンティーク(ペルー/40代後半/男性)

木製家具というと和だんすからブリティッシュまで幅広いのですが、こちらではひとくくりに。80年代に多かったコンクリートの打ちっ放し建築やクールなインテリアはかなり減り、今では建築にもインテリア要素にも木材や自然素材を生かしたものが増加中。人はやはりどこか空間に暖かみを求めているのかも!?

■広さが感じられるところ。(ポーランド/20代後半/女性)

海外から来た人々にしてみれば、日本は狭い空間にたくさんの人がいる窮屈な国、という印象なのでしょう。ふと抜けたビルの間に広がる空や海の見える広々とした場を好むという回答もうなずけます。

デザインされた店舗空間から自宅まで、多種多様な回答が集まった今回のアンケート。筆者は、モダンさと上品さをあわせ持つコンラッド東京やゴシックテイストのきらびやかさがあるトランプルーム、シェーカーテイストのあるマーガレットハウエルカフェなどが好きです。みなさんのお気に入りはどこですか?