Silicon Laboratories(Silicon Labs)は4月10日、MFi(Made for iPod/iPhone/iPad)アクセサリの設計効率の向上と、市場投入期間の短縮が図れる32ビットハードウェアおよびファームウェア開発キット「MFI-SIM3U1XX-DK」を発表した。

現在、iOSアクセサリメーカーは、30ピンコネクタを使用した製品をLightningコネクタ規格に移行する作業を進めている。Lightningコネクタ規格では、先進のフルデジタルコネクタを導入し、プロトコルスタックが一新されている。「MFI-SIM3U1XX-DK」キットは、エンタテインメントアクセサリ、デバイス給電型ドングル、ゲームコントローラ、ドッキングステーションなど、さまざまなiOSデバイス用アクセサリをターゲットとしている。同社のARM Cortex-M3ベースのマイコン「SiM3U」を搭載し、フルデジタルのLightningコネクタおよびプロトコルスタックをサポートする。これにより、Lightning準拠のアクセサリ開発を簡略化し、MFiプログラムの要件を容易に満たしながら、市場投入期間を短縮する。

同キットには、ハードウェア開発ボード、ファームウェアライブラリ、iOSデバイスと開発ボード間のAppcessory方式の通信をサポートするiOS Appのサンプルなど、エンジニアがLightningベースアクセサリの開発を開始するために必要なものすべてが含まれており、iOSデバイス用に設計するアクセサリのコスト、複雑性、消費電力を低減できる。マイコン「SiM3U」は、全範囲で仕様が規定されたアナログペリフェラル、内蔵の容量性タッチセンスコントローラ、内蔵の5Vレギュレータ、および水晶不要のUSBサポートを特徴としており、ディスクリートの水晶発振器が不要で、部品(BOM)コスト、部品点数、および基板面積を削減できる。また、「SiM3U」のクラス最高の電力効率は、デバイス給電型アクセサリアプリケーションに役立ち、最低1.8Vでフルアナログ動作が可能な超低消費電力性能をはじめ、同等クラスの競合製品より有効電流が33%、スリープ電流は5~100倍低く、デバイス給電型アクセサリの実現の可能性を確保する低電流USBアイドルモードを搭載している。

なお、価格は149ドル。MFiライセンス認定メーカー向けに販売中で、AppleのMFi Procurement Portalから注文できる。