計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは3月24日、リアルタイムオシロスコープ「Infiniium」のユーザインタフェースを刷新すると発表した。
新ユーザインタフェースは、オシロスコープ上でも、ソフトウェア「N8900A Infiniium Offline」をインストールしたPC上でも利用可能。「Infiniium Offline」を使えば、オシロスコープの前にいなくても、結果の表示、解析、共有、文書作成を行うことができる。また、文書を迅速に作成できるよう、ブックマークおよびコンポジットファイルの表示機能を実装している。このような文書作成支援機能は、オシロスコープのユーザーインタフェースでは従来提供されていないものだった。さらに、USBフラッシュメモリ、電子メール、ウェブ会議などを活用して、物理的に離れた複数の設計チームや開発者、パートナー、ベンダ、ユーザーとの情報共有を効率的に行うことができる。
具体的には、時間軸画面、周波数軸画面、プロトコル画面など、複数の波形観測画面の分割、統合を簡単に実行できるカスタマイズ表示が可能な他、コンポジットファイルにより、複数チャネルのデータを一括保存できる。また、リアルタイムオシロスコープのユーザーインタフェースのフル機能版をPC上に移植した。これにより、迅速なナビゲーションや強力な表示・解析が可能となったほか、スマートマーカー機能により、差分の数値を自動計算し常時表示できるようになった。注釈をつけることも可能であり、これにより、デバッグの高速化が実現できるようになると同社では説明している。
また、トランスポータブルライセンスに加え、サーバライセンスも提供される(いずれもユーザー間および機器間でアプリケーションライセンスの貸し借りが可能)。この他、PCベースのアプリケーションながら、I2C、SPI、RS-232、RS-422、RS-485、UART、JTAG、CAN、CAN symbolic、LIN、FlexRay、USB、PCIe Gen1/2/3、MIPI D-PHY、およびM-PHY、DigRF、8B/10B、SATA/SAS、HDMI、DDR1/2/3/4、LPDDR 1/2/3、 64B/66B Ethernetのプロトコルデコードに対応したため、手軽にシリアルバスのデバッグを高速化することが可能になるという。
なお、「N8900A Infiniium Offline」の価格は8万5995円(税別)からとなっており、すでに販売を開始しているほか、各種アップグレードオプションも提供されている。また、新ユーザインタフェースを搭載したオシロスコープ「Infiniium」は5月から出荷開始となる。