東芝は2月20日、スマートフォンやタブレット向けに、毎秒240フレーム相当のフルHD動画が撮影可能な有効画素数約1300万画素の裏面照射型(BSI)CMOSイメージセンサ「T4K82」を発表した。

従来、高速で動画を撮影すると、1フレーム当たりの露光時間が短くなるため、高画質と高速を同時に実現することは困難だった。同製品は、画像の明るさを最大4倍に高める「ブライトモード」を搭載しており、明るく高画質なフルHD動画を毎秒240フレーム相当で撮影することができる。スマートフォンやタブレットに使用することにより、スポーツなどの動きのある動画のスロー画像を高画質で見ることができる。また、電源回路の省電力化を実現する新設計技術により、従来製品に比べ消費電力を18%低減した。この他、光学フォーマットは1/3.07型、画素ピッチは1.12μm、推奨モジュールサイズは8.5mm×8.5mmとなっている。

「ブライトモード」は、スマートフォンやタブレット向けCMOSセンサで一般的に使われているプログレッシブ形式ではなく、インターレース形式で画像を出力することにより、2フレーム分の露光時間の確保を可能にする。さらに、各画素の明るさを2倍にする電荷加算方式を採用しており、「ブライトモード」オフ時と比較して4倍の明るさを実現した。出力されるインターレース画像は、東芝が提供するプログラムを搭載したスマートフォンなどの機器上で処理することにより、劣化を抑えたプログレッシブ画像への変換が可能という。

なお、サンプル価格は1500円。3月よりサンプル出荷を開始し、9月より月産200万個体制で量産を開始する。

東芝の有効画素数1300万画素のBSI CMOSイメージセンサ「T4K82」