グラフィック社は、小塚明朝・小塚ゴシックなど数々のフォントを生み出してきたタイプデザインディレクター・小塚昌彦の初めての著書「ぼくのつくった書体の話 活字と写植、そして小塚書体のデザイン」を刊行した。価格は2,500円。
同書は、小塚明朝・小塚ゴシック、リュウミン、新ゴなど、デザインを学ぶ人やそれに関わる人であれば知っている有名書体を手がけてきた小塚昌彦が執筆した初めての書籍。同氏の知識や歴史にもふれながら、66年にわたり第一線で長く活躍してきた著者だからこそ語ることのできる実践的な話とタイポグラフィへの思いを、豊富な写真・図版とともに紹介する。
また、同書の章立ては著者の経歴を順に追って行く形で展開されており、「序章 書体デザインとの出会い」、「第1章 毎日新聞で活字をつくる」、「第2章 毎日新聞の書体をつくる」、「第3章 タイポグラフィの理論を学ぶ」、「第4章「 新ゴ」の誕生」、「第5章 小塚明朝とゴシックの思想」、「終章 書体デザインの未来へ」という構成となっている。
なお、小塚昌彦は1929年 東京生まれのタイプデザインディレクター。1947年、毎日新聞社に入社し、金属活字の鋳造、ベントン彫刻機用の原図制作など、活字書体の開発に携わる。1970年以降は毎日新聞CTSデジタルフォントの開発を担当し、1984年に定年退職。翌1985年、モリサワのタイプデザインディレクターに就任し、リュウミンや新ゴなど主要書体の開発に携わる。1992年、アドビシステムズの日本語タイポグラフィディレクターに就任。小塚明朝・小塚ゴシックを制作した。1979~97年、愛知県立芸術大学非常勤講師。2007年、佐藤敬之輔賞を受賞。