テクトロニクス社は12月4日、最高周波数帯域2GHz、サンプル・レート10GS/s、レコード長50Mサンプルを装備したミッドレンジ・オシロスコープ「MSO/DPO5000Bシリーズ」を発表した。
近年、組込機器における高速シリアル伝送の対応や、SiC/GaNなどの次世代パワーデバイスへの対応など、計測機器をとりまく環境は変化してきている。同シリーズは、そういった用途に対するニーズに対応することを目的に、2GHz帯域、10GS/sサンプリング、最高250Mサンプルのレコード長、25万波形/秒の波形取込レート、HiRes取込みによる11ビット以上の分解能などを備えたものとなっている。
また、容量負荷4pFの1GHz受動プローブによって性能を向上させることが可能なほか、DPX高速波形取込み技術により、グリッチやその他のトランジェントを瞬時に表示することが可能となっている。
さらに、標準で480GBのSSDを搭載。これにより、オシロスコープの迅速な利用開始や従来以上のデータ保存が可能となっている。
加えて、標準でビジュアル・トリガ機能を装備。ビジュアル・トリガとサーチ機能を組み合わせることで、四角形や六角形などの形状をもとにトリガを設定できるようになり、複数のチャンネルで、複雑な波形を簡単に取込むことができるようになるほか、独自のWave Inspector機能により波形をすばやく検索できることから、迅速なトラブルシュートにより、ライブ信号や取込んだ信号から、すぐに異常波形を発見することなどもできるようになっている。
なお、同シリーズの提供に合わせて、電力アプリケーションのサポートに向けた「DPOPWRパワー測定/解析ソフトウェア」の新バージョンの提供、ならびにオシロスコープの汎用性を広げる機能として「BroadR-Reachの自動デバッグ/コンプライアンス・テスト・サポート」が追加されている。同サポートを提供するOpt. BRRにより、オシロスコープでスペクトル密度(PSD)、リターン損失測定など、仕様で規定されている数多くの項目をテストすることが可能になるという。