Texas Instruments(TI)は、リモートバイポーラ接合型トランジスタ(BJT)を使った温度補償型インダクタ電流検出機能を内蔵し、大電力POL(ポイントオブロード)コンバータで最小実装面積を実現したアナログ20V DC/DC同期整流降圧型コントローラ「LM27403」を発表した。
同製品は、入力電圧12V、出力電流25A時に、95%超の効率を実現し、通信インフラ、産業、医療機器、電源モジュールなどの用途で、ソリューションサイズの最適化と高速過渡応答特性を実現している。また、オンライン設計支援ツール「WEBENCH」により、DC/DC変換の簡素化と製品設計プロセスの迅速化が可能になる。
また、温度補償型インダクタ直流抵抗検出機能は、安価なBJTによるリアルタイム温度変動計測を通じ、電流制限精度を10%向上することが可能なことから、全動作温度範囲で、電流制限スレッショルドを一定に保つことができる。全動作温度範囲での高精度電流制限により、DC/DCコンバータの実装面積を縮小し、インダクタの過剰定格を不要にするとともに、インダクタのサイズとコスト低減を実現する。
このほか、入力電圧範囲は3V~20Vと広く、3.3/5/12Vの電源レールから、最小出力電圧が0.6VのPOL電源を、1%の電圧精度で実現する。また、30nsの最小オン時間により、さらに低いデューティサイクル、高いスイッチング周波数を実現し、スケーラビリティの向上とソリューションサイズの低減が図れる。加えて、15ns(代表値)のアダプティブデッドタイム制御により、高周波数動作時に効率の向上と消費電力の低減を実現している。このほか、リモート出力電圧検出機能により、大電流アプリケーションで負荷安定化能力を向上させている。
なお、パッケージは4mm×4mm×0.8mmサイズの24ピンPowerPad WQFN。価格は1000個受注時で1.20ドル。すでに量産出荷を開始している。