NECは3日、データセンター等に設置されるラックに搭載されたICT機器の排熱を効率よく取り除く「多段式高効率冷却技術」を開発したと発表した。同技術をデータセンターに適用することで、データセンターの空調電力を最大50%削減可能となる。

「多段式高効率冷却技術」は、液体から気体、または気体から液体に変化する相変化に伴い、大きな熱の移動が生じる現象を利用した冷却技術「相変化冷却技術」を、複数のICT機器を搭載するラックに応用したもの。

この技術を活用することで、機器から排出される熱を拡散前に回収し、直接屋外へ輸送できるため、サーバルーム内の空調負荷を大幅に削減できる。ラック当たり12kWの消費電力の場合、送風電力と冷凍機電力を合計した空調電力を最大50%削減できる。同社実験によると、10台のサーバを搭載したラック背面から発せられる熱量のうち、約50%を屋外へ熱輸送できたとしている。

NECは同技術をデータセンターに適用することで、空調負荷を増大させずに、ラックへ実装するICT機器を大幅に増やすことが可能になり、フロア面積はそのままで、データセンターの処理能力を向上することができ、省スペースなデータセンター運用につながるとしている。