アドビ システムズ コンシューマビジネス部門マーケティングディレクター ジム モハン氏

アドビ システムズが提供する「Adobe Revel」は、最初の30日間は枚数に制限なく、それ以降は毎月50枚まで写真を「無料」で読み込めるという、実にパワフルな写真共有サービス。MacやiOS、Androidデバイス向けに無料で提供される専用アプリには、同サービスへのアップロード機能に加え、簡単な加工を行う機能も搭載されている。今回は、Revelの特徴や活用事例、そして写真加工ソフト「Adobe Photoshop Elements」などコンシューマ向け製品の今後の展開について、コンシューマビジネス部門マーケティングディレクターのジム モハン氏にお話を伺った。

写真管理の問題点に対処した「Revel」

「Adobe Revel(以下、Revel)」は、MacやiPhoneなどから写真を読み込んで一括管理できる写真用クラウドストレージと、同クラウドへのアップロードや簡単な加工が行える専用アプリの総称だ。撮影した写真をクラウド上で一元管理し、各デバイスにインストールしたアプリからほぼ同じインタフェースで同じ内容の写真を閲覧できるのが特徴となる。モハン氏は、パーソナルな写真共有を楽しむために必要となる4つのポイントを挙げ、そのすべてに対応していることが、Revelを奨励する理由だと語った。

1:写真を一元管理する
2:写真を見やすくレタッチする
3:写真を簡単かつ安全に共有する
4:写真を楽しく印象的に加工する

Adobe Revelと連携するアプリ群。各アプリの詳細は次ページにて

「Revel」のWindows版アプリも開発中

現時点でアプリの提供はMacとiOS用のみとなっているが、同氏は現在Windows版が開発中であることを明かした。モダンUI対応のWindows8用、そしてWindows 7を含むクラシックUI対応版の2種類が用意されるという。

Revelの利用は無料/プレミアム版のふたつのプランが用意されている。無料版は利用開始から30日間は容量無制限、その後は毎月50枚までアップ可能。プレミアム版は年額5,200円または月額500円の有償サブスクリプションで、常に無制限で写真をアップロード可能だ

現在、WindowsユーザーがRevelを利用するには、専用のWebページ「AdobeRevel.com」から利用する必要がある。今後Windows版がリリースされることで、他のプラットフォーム同様、アプリ上から写真のアップロードや加工が行えるようになるので、これはWindowsユーザーにとっては嬉しいニュースといえよう(ちなみにAndroid用としては、読み込み機能のみの「Revel Importer」が用意されている)。

Revelの最大の利点は、さまざまなデバイスで撮影した写真を同期して一元管理できること。同氏はiPhoneで撮った写真がすぐさま自動アップロードされ、クラウドのコレクションに反映される様子を同氏が所有するiPhoneを用いて実演した。加えて、アプリ上のスクラバー機能を利用して10年以上前の写真に素早くアクセスしたり、デバイス上で写真をランダムに配置してあらゆる方向へもスクロールできる「エクスプローラービュー」機能も紹介。これは、写真を選ぶとその日に撮った写真を再びスクロールでき、大量の写真が大きな「面」にギッシリと並んでいるような感覚で使える機能だ。

「Revel」は、さまざまなデバイスから同じようなインタフェースでクラウド上の写真を閲覧できる。左からMac、iPad、iPhoneで開いたところ

Revelの「容量無制限」は今後も続行? RAWへの対応予定は?

写真用のクラウドストレージ「Revel」の競合サービスといえば、「Flickr」がまず筆頭に挙げられるだろう。Flickrは2013年5月のサービス改正によって無料で利用できる容量が増えた反面、有料アカウントでの「容量無制限」制が撤廃され、最大2TBまでと制限が加えられた。写真1枚あたりの容量が大きいハイエンドクラスの一眼レフユーザーにとっては、バックアップ用途で利用しづらくなったのだ。

これに対し、Revelのプレミアム版は現在も「容量無制限」で、この方針が今後も継続されるのかが気になるところ。これについてモハン氏は「今のところプレミアム版の容量無制限は変更する予定はない」と回答。また、対応フォーマットについても「現在はJPEGのみに対応しているが、RAWは一眼レフユーザーにとっては非常に重要なフォーマットだと考えている。現段階においては検討中だが、いずれRAWへの対応についてアナウンスするだろう」との回答を得た。