タカ・イシイギャラリーは、発破技師とともに岩石の爆破の瞬間を捉えたシリーズを紹介する、写真家・畠山直哉の個展「Blast」を開催する。開催期間は8月20日~9月7日(日月祝は休廊)、開場時間は12:00~19:00。入場無料。

「Blast #14117」2007年 Lambda print 100x150cm

同展は、畠山の代表作のひとつであるシリーズ「Blast」を、未発表作品を含む新たなセレクションで再構成するというものだ。「Blast」は1995年に撮影が開始されたシリーズで、同年の「アナザー・リアリティー‐現代写真の動向」展(川崎市市民ミュージアム)にて展示されて以来、国内外の多くの展覧会で発表するかたわらで撮影を続けている。

都市や自然、そしてそれらを形作る概念を精緻に検証し、時にはそれらを詩的に展開させるような作品を発表してきた畠山にとって、爆破する岩石の飛散方向を正確に占う発破技師とともに行う「Blast」の撮影は、写真の魅力を、その技術の根本にまで立ち返りつつ再考させるような、かけがえのないものとなっている。

「Blast #13609」2007年 Lambda print 100x150cm

「Blast #09420」2002年 Lambda print 100x150cm

また、同展に合わせて、2011年の秋に東京都写真美術館にて開催され、その後、ハウス・マルセイユ写真財団(アムステルダム)、サンフランシスコ近代美術館に巡回した大規模な個展「Natural Stories」で発表された映像作品「TWENTY-FOUR BLASTS 2011」もエディション作品として制作される。さらに、70点もの作品を収録した作品集「Blast」(小学館刊)も8月20日に刊行される予定だ。

なお、畠山直哉は1958年岩手県陸前高田市生まれの写真家。筑波大学 芸術専門学群にて大辻清司に師事。1984年に同大学院芸術研究科修士課程修了。それ以降、東京を拠点に活動を行い、自然・都市・写真のかかわり合いに主眼をおいた、一連の作品を制作している。