ARMは、「TARM Development Studio 5(DS-5) Community Edition(CE)」を拡張し、ARM組み込みLinuxアプリケーションに対応する総合的な機能を備えた無償ソフトウェア開発環境として提供すると発表した。

「DS-5 CE」は、Eclipse IDE、GNUクロスコンパイラ、DS-5デバッガ、Streamlineパフォーマンスアナライザ、オンラインヘルプ、ソフトウェアサンプルを含む統合ソリューションとなっている。高度な機能の統合により、即座にプロジェクトを開始することができる。また、「DS-5 CE」は、Linux、Windows、Mac OS上のホストで動作するため、Linuxに移行しようとするマイコンユーザーに最適だという。

グラフィカルなDS-5デバッガは、イーサネット接続でターゲットに接続するだけで、通常、市販デバッガにしか装備されていないパワーデバッグ機能が使用できる。さらに、ターゲットファイルシステムエクスプローラ、ターゲットにアプリケーションをダウンロード、起動、デバッガに接続する自動フローなど、Linux特有の機能も統合している。ARM Streamlineパフォーマンスアナライザは、Linux開発者に対し、開発中のアプリケーションと他のLinuxスタックおよび下位のハードウェアとの相互作用について、これまでにない可視性を提供する。Streamlineにより、コードのホットスポット、システムのボトルネック、非効率的なスレッディング、キャッシュメモリやGPUの非効率的な使用、その他多くのソフトウェア問題を容易に特定できる。

なお、同社では、ARMプロセッサ上でのソフトウェア開発を効率的かつ効果的にできるよう注力しており、主力であるDS-5ツールスイートをAndroidネイティブアプリケーションの開発に無償で利用できるようにした当初の「DS-5 CE」において実証されているとコメントしており、今後は、Linuxアプリケーションの開発にも「DS-5 CE」のメリットを活用できるようになるとしている。