イーソルは4月25日、T-Kernelベースソフトウェアプラットフォーム「eT-Kernel Platform」が、Freescale Semiconductorのアプリケーションプロセッサ「i.MX 6」シリーズをサポートしたと発表した。
マルチコアプロセッサ対応リアルタイムOS「eT-Kernel Multi-Core Edition」を含むスケーラブルなリアルタイムOSラインアップを揃える「eT-Kernel」プラットフォームをプロセッサ「i.MX 6」シリーズベースのソフトウェア開発に採用することで、1コア向けのソフトウェア資産を再利用した柔軟なマルチコアシステムの構築や、複雑なマルチコアシステムのデバッグや解析が容易にできるようになる。
i.MX 6シリーズは、ARM Cortex-A9アーキテクチャをベースとする1コア、2コア、4コアのプロセッサ製品ファミリを持っており、車載情報機器をはじめ、ビル・オートメーション、FA・産業機器、医療機器、スマートデバイス機器などの分野で適用されているという。
また、eT-Kernelプラットフォームは、T-Kernel拡張版リアルタイムOS「eT-Kernel」を中心に、開発ツール「eBinder」、ファイルシステム、ネットワークプロトコル、USBホスト/デバイススタックおよびGUIを含む各種ミドルウェア、プロフェッショナルサービスが統合されたソフトウェアプラットフォームで、今回のサポートにより、4コアのARM Cortex-A9 MPCoreマルチコアプロセッサが搭載された「i.MX 6Quad」に対応した。ターゲットボードは、「i.MX 6Quad」搭載のSABRE Board for Smart Devices評価ボード「MCIMX6Q-SDB」。独自の「ブレンドスケジューリング」技術を実装した「eT-Kernel Multi-Core Edition」により、i.MX 6Quad上で対称型マルチプロセッシング(SMP)と非対称型マルチプロセッシング(AMP)を混在した柔軟なシステム設計ができるほか、eT-Kernel Multi-Core Editionと緊密に統合された「eBinder」が提供するマルチコア向けソフトウェア開発に有用なツール・機能を用いることで、高品質なi.MX 6Quad向けソフトウェアの効率的な開発が可能になるという。
なおeT-Kernelプラットフォームは、Freescaleの各種i.MXシリーズに加え、「Vybrid」コントローラ・ソリューションもサポートしているため、これらのプロセッサ上のソフトウェア資産を共通化して再利用できるほか、μITRON、T-Kernel、Linuxの各ソフトウェア資産を再利用できるため、OSの移行もスムーズに行えるという。