セイコーエプソンは4月16日、同社の32.768kHz水晶発振器製品として、パッケージサイズ3.2mm×1.5mm×0.9mm(Max)を実現した「SG-3030CM」を開発、サンプル出荷を開始したと発表した。

一般的に32.768kHz水晶発振器は時計やサブクロック(スリープ、タイマー)用途として、スマートフォンやタブレットPC、デジタルカメラといったモバイル民生機器やカーナビゲーションをはじめとする車載機器など、さまざまな電子機器の駆動・制御用途デバイスとして用いられている。

近年、電子機器の小型化が進んでおり、水晶発振器に対してもカスタマより小型・低消費電力化が求められるようになってきた。しかし、水晶振動子と発振回路を組み合わせた水晶発振器は、水晶振動子、発振回路、パッケージの小型化を進めるほど、精度の維持・向上が難しくなるという課題があった。

そこで同社は独自技術である水晶素材とMEMSを組み合わせた「QMEMS技術」と、半導体技術を組み合わせることで、小型の音叉型水晶振動子と発振回路を小型パッケージに収めつつ、従来品(SG-3030LC)と同等の消費電流0.65μA(Typ.)(1.8V動作時)、精度を実現したという。

また、同製品のような1パッケージの水晶発振器は、水晶振動子と発振回路を個別に用意する場合に比べ、省スペースでの設計が可能なことに加え、水晶発振特性が出荷時において保証されているため、カスタマは発振回路設計や周波数調整が不要になり、電子機器の信頼性と品質の向上を図ることが可能になるという。

なお動作電源電圧は1.5~5.5V、動作温度範囲は-40~+85℃、周波数初期偏差は5.0±23.0×10-6(Max.)となっている。

セイコーエプソンの32.768kHz水晶発振器「SG-3030CM」

「SG-3030CM」と従来商品「SG-3030LC」とのサイズ比較