北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)は、Crayの最新スーパーコンピュータ(スパコン)「Cray XC30」をアジア地域で初めて導入し、本格運用を開始したことを発表した。

Cray XC30は、Crayが開発したインターコネクトチップ「Aries」、ネットワークトポロジ「Dragonfly」を採用したスパコンで、高密度実装技術、液冷技術および側面方向にエアフローを送る冷却システムを採用。スパコンシステムとしては、2キャビネット構成で360の計算ノード(5760個のCPUコア)で119.8TFlopsのピーク演算性能を実現することが可能。

また、同システムには群青色のキャビネットに描かれた木製のそろばんのイラストを採用しているが、これはJAISTが置かれている石川に古くから受け継がれてきた文化にちなんだデザインで、背景色には加賀群青が用いられているほか、その上に描かれた木目のそろばんは計算する機械という点で現代のコンピュータの原点であるという点と、映画「武士の家計簿」に登場するそろばん侍のように利用者それぞれの研究を、計算機を礎に大きく発展してもらいたいというメッセージが込められているという。

なお、そろばんの珠は、今回のシステムに搭載される計算ノード数とCPUコア数にちなみ、 「360.5760」を表しているという。

JAISTに納入されたCrayの最新スーパーコンピュータ(スパコン)「Cray XC30」。写真左がJAISTの情報社会基盤研究センター長である金子峰雄 教授、右が同情報社会基盤研究センターの佐藤 助教