Texas Instruments(TI)は、標準の表面実装パッケージで15Aの電流定格に対応し、電力損失を業界最小クラスに抑えたスマートバイパスダイオード「SM74611」を発表した。

同製品は、太陽光発電パネルの用途において、従来のショットキーダイオードを使ったジャンクションボックスと比較して電力損失を80%、ジャンクションボックス内の動作温度を50℃低減する。これにより、既存のジャンクションボックスでは定格電流値の増加を可能にするとともに、新規のジャンクションボックスの場合には定格電流値の増加とボックスサイズの低減を同時に実現する。例えば、太陽光発電パネルへの光が何らかの要因によって遮られた場合、同製品は、ストリング電流に対し抵抗値の低いバイパスのパスとなり、パネルの損傷につながるホットスポットの発生を抑止する。こうしたパネルの保護機能に加え、効率向上によりパネルの信頼性を高めると同時に、発熱を抑えることによりジャンクションボックスとヒートシンクの小型化できる。また、アバランシェ効果なしで、最大15Aの電流に対応させたほか、順方向と逆方向動作のいずれの場合にもリーク電流を低減し、従来のショットキーダイオード方式の太陽光発電アレイと比較して、発電量を向上できる。

なお、パッケージは10.2mm×9mm×4.5mmサイズの2端子D2PAKであり、そのまま従来の表面実装ショットキーダイオードの代替ができる。価格は1000個受注時で1.50ドル。すでに、量産出荷を開始している。

TIのスマートバイパスダイオード「SM74611」