テクトロニクス社は2月5日、「MSO/DSA/DPO70000」シリーズを含むパフォーマンスオシロスコープ用シリアルデータリンク解析(SDLA)ビジュアライザソフトウェアパッケージ「SDLA Visualizer」を発表した。

同製品を用いることで、シリアルデータシステムやモジュール、あるいはチップセットにおけるリンクの特定、測定経路から任意のコンポーネントのディエンベッド、仮想リンクコンポーネントのシミュレート、イコライゼーションの適用、複数ポイントの測定が可能となるため、コンピュータや通信、メモリなどの高速バスの物理レイヤの特性評価、デバッグ、コンプライアンスを行う際、モデル化された特性と実際の信号のインテグリティ性能の差異を確実に把握することが可能になり、設計サイクルの時間を短縮することが可能になるという。

完全な4ポートモデリングを提供しており、トランスミッタの出力インピーダンス、オシロスコープとレシーバの入力インピーダンス、チャネルとフィクスチャのインピーダンスを考慮することで、信号を可能な限り忠実に再現することが可能。また、必要に応じて個々のリンク要素のSパラメータの検証、デバッグが可能だ。

また、リンクモデルの検証では、周波数応答、位相応答、全16Sパラメータのプロットを含む完全なプロットセット、そして1つの共通のユーザインタフェースで全てのリンク要素を設定できるため、テストポイントごとに異なるリンクモデルを作成する必要がなく、作業の容易化が可能であるほか、SDLAとDPOJETジッタ/アイダイアグラム解析ソフトウェアを組み合せることで、モデルが正しく設定されているという確信をもって、複数のテストポイントのアイとジッタ結果の同時検証を実行することが可能になる。

さらに、半導体固有のIPモデルとの連携を容易にするため、シリアル物理レイヤリンクのIBIS-AMI(IBIS Algorithmic Modeling Interface)モデリング規格をベースとして、リファレンスレシーバのイコライゼーション技術のサポートに加え、ベンダ固有のレシーバイコライゼーションやクロックリカバリアルゴリズムを組み込むことができることから、リンクモデルの設定や定義の容易化が可能となる。

なお、同ソフトは同社の直接販売、および特約店販売に加え、計測/シミュレータ分野で豊富な技術スキルと販売実績を持つATEサービスでも販売、サポートが行われる。また、価格は「DSA/DPO/MSO70000」シリーズのオシロスコープ共通オプションとなるソフトウェア「SDLA Visualizer Opt. SDLA64」が124万円(税別)となっている。

オシロ用SDLAビジュアライザソフトウェアパッケージ「SDLA Visualizer」の画面