米SNS最大手Facebookの株価が6カ月ぶりに30ドルを超えた。1月15日にプレスイベントを開催する計画が報じられたことで上昇に加速がつき、前日比5.3%高の30.59ドルで終了した。

Facebookは2012年5月に米NASDAQ市場に上場を果たしたが、業績懸念などから株価が下落し続け、昨年9月には売り出し価格(38ドル)の50%を大きく下回る17.55ドルまで落ち込んだ。しかし、昨年10月に発表した2012年度第3四半期(2012年7-9月)決算において、モバイル広告に牽引される形で広告売上げが伸びたことから株価が上向き始め、30ドル台への返り咲きが期待されていた。

Facebookは1月15日に本社(カリフォルニア州メンロパーク)でプレスイベントを開催する。8日に報道関係者やアナリストに招待状の送信を開始しており、新サービス発表や戦略説明への期待感が9日の30ドル突破につながった形だ。しかしながら、招待状には「Come and see what we're building」と書かれているのみで、どのようなイベントになるかは不明。1月30日には2012年度第4四半期(2012年10-12月)決算を発表する予定で、今はまだ、これからの数週間で同社が上昇機運をつかめるかに注目が集まっている状態だ。

1月8日と1月9日のFacebook株価の推移

Facebookはデスクトップブラウザ向けサービスに軸足を置く姿勢を改め、昨年からモバイルデバイス対応の強化を推進している。Facebook Camera、Facebook Messenger、Facebook Pokeなど、スタンドアロンのモバイルアプリを次々に投入。昨年8月にはネイティブアプリに作り直したiOSアプリをリリースした。またスマートフォン向けの写真サービスを提供するInstagramを買収したことも昨年大きな話題になった。こうしたモバイル分野における様々な取り組みを、今後どのようにFacebookの業績につなげるかが注目点の1つになっている。またアクティブユーザー数が10億人を超えたものの、北米では成長が鈍っており、ロシアやブラジル、中国など成長市場への浸透にも視線が注がれている。